- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594094249
作品紹介・あらすじ
安倍晋三元総理の銃撃事件を機に再び動き始めた旧統一協会(世界平和統一家庭連合)を巡る問題は、日本が抱えるさまざまな課題を浮き彫りにした。
信者の子供たちが宗教の教えを背景とした虐待に苦しむ「宗教2世問題」、甘さを露呈した警察による要人警護のあり方、新法をつくるも「抜け穴」だらけとなってしまった不当な高額寄付や悪質な勧誘の法規制、「選挙協力」などの名目で与党・自民党の国会議員180人が協会との接点を認めた「政治と宗教」の関係など――。
1980~1990年代、芸能人や有名アスリートらが参加した合同結婚式が連日ワイドショーで報じられ、マインドコントロールによる勧誘や高額献金、壺や印鑑などを売りつける霊感商法が大きな社会問題となったにもかかわらず、なぜ、韓国発のカルト教団が日本社会のなかで30年以上も存続できたのか……?
小林よしのり
「侵略とは、究極的に言えば他国の憲法を書き替えることだ。『反日・反天皇カルト』の外国勢力に日本は国家権力の中枢まで蝕まれていた。これは武力を伴わない『ステルス侵略』にほかならない!」
有田芳生
「1969年、日本にあった統一教会の関連企業は、韓国にある本部から殺傷能力のある空気散弾銃2500丁輸入し、国会でも取り上げられた。公安にマークされていたはずの彼らは、なぜ30年も野放しにされたのか……」
2023年夏前には、協会への解散命令が出される公算は高い。その後、安倍元総理を襲った山上徹也被告の裁判も始まる。
だが、統一協会が韓国発の「反天皇・反日」を唱えるカルト教団であり、過去に大量の空気散弾銃を輸入するなど不可解な動きも把握していたにもかかわらず、保守を自称する多くの国会議員が協会にすり寄っていた事実は、今もって多くの謎を残したままだ。
今回、自身の親族が統一協会のマインドコントロールによって「集金奴隷」と化し、その後家族で奪還を試みるも叶わなかった漫画家の小林よしのり氏と、日本のカルト問題を長年にわたって取材し続けてきたジャーナリストの有田芳生氏が、「空白の30年」を振り返りながらこの問題の深層に光をあてる。
感想・レビュー・書評
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今回のよしりんに全面的には同意できず
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統一協会は韓国で生まれた外国勢力であり、教祖亡き今も日本人から収奪したカネを原始に日本の国家中枢に浸透して、ステルス侵略を続けている。ところが、国家の危機に真っ先に立ち上がらなければいけないはずの保守が、この非常事態にまったく気付いていない。
家庭連合だから昔の家族の伝統に帰れ的な価値観で、それを政策に反映させるために豊富な資金を使って政治に入り込んでいた、というかそのための改名だったのでしょうか。 -
●第二次安倍政権は、選挙のたびに無償で献身的に運動してくれる信者を重宝するなど、統一教会と持ちつ持たれつの関係を続けてきたこともあって、団体の名称変更も可能となったばかりか、ついには国家権力中枢まで侵入を許し、ついには自民党の政策や憲法改正草案にまで統一教会が多大な影響を及ぼすまでになっていたのだ。
●なぜ「自虐史観」に異を唱え、天皇を尊崇するんだと公言していた安倍氏を始めとする保守政治家が、こんなカルト団体と手を組み、取り込まれてしまったのか?要するに、保守でも何でもなかったのである。
●建前では、合同結婚式の相手は、文鮮明が選んだことになっていますが、当時結婚相手を勅使河原さんに選んだのは、高学歴で一流企業のに勤めるエリートだったから、教団の社会的認知を高める広告等としては適任だったから。
●統一教会の原理である「血分け儀式」教祖と女性信者が性交渉をする。アダムとエヴァの時代から人類が背負っている原罪が消えると言うトンデモな教え。
● 30年前のあの時、フランスにおける「反セクト法」のようなカルト規制の枠組みを作ったり、被害者の脱会や救出を可能にする救済の仕組みを整備しておかなければならなかった。批判だけじゃダメなんです。
● 70年代から80年代にかけて、全国の大学に統一教会の支部とも言える「原理研究会」(C A R P)ができて、大きな社会問題になった。現在でも、東大や京大、早稲田など全国約70の原理研は存在するとみられている。
●所属国会議員379人のうち、180人が統一教会と接点を持っていたと言う。
● 1991年を文鮮明が北朝鮮を電撃訪問し、金日成主席と会談しています。約5000億を献上すると約束した上で、私のお兄さんになってくださいと願い出たと言われています。
●月刊Hanada、現在のマスコミの統一教会での批判は、リベラルメディアが安倍氏の評価を下げたい一心で掻き立てている。教団は現在そんなに悪なのかと開き直る始末。
●統一原理は①創造原理②堕落論③復帰原理、の3つに大きく分かれます。
●「万物復帰」この世の人も財産も全ては神のものであり、サタン(一般社会)の下にあるすべてのもの、本来の所有者である(文鮮明)に復帰させることは善であり救いとなる。と説いている。
●統一教会には、若くて真面目な女性信者が多い。彼女たちは「今の世の中は、性についての倫理観が乱れており、これではいけない」と思っているから、純潔を重視する文鮮明の教えに惹かれるわけです。
●ダライ・ラマ14世。毛沢東に「宗教は阿片だ。宗教には2つの欠点がある。第一に民族を次第に衰えさせる。第二国家の進歩を妨げる。チベットとモンゴルは宗教に毒されてきたのだ」と断じられ、ようやく共産主義の危険性に気づいたが、時既に遅しで国を追われた。 -
■統一教会の被害者救済法案が成立したが、2世信者からは「あの法律では2世は誰も救われない」と悲痛な声も上がっていた。
この新法では「不当な勧誘行為によって個人を困惑させてはならない」と定めており6つの「不当な勧誘行為」を禁止している。
①帰って欲しいと伝えても退去しない「不退去」
②帰りたいのに返してくれない「退去妨害」
③勧誘をすることを告げず退去困難な場所へ同行する
④威迫する言動を交え相談の連絡を妨害する
⑤恋愛感情などに乗じ、関係の破綻を告知する
⑥霊感などの特別な能力によりそのままでは重大な不利益が起こることを示して不安を煽り、契約が必要と告げる「霊感商法」など
■新法では更に寄付の勧誘を行う法人などに求められる「配慮義務」を3つ定めている。
①自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な状況に陥ることができないようにする
②寄附者やその配偶者・親族の生活の維持を困難にすることがないようにする
③勧誘をする法人などを明らかにし、寄附される財産の使徒を誤認させるおそれがないようにする -
対談形式なので一気に読了。
失われた30年を含め統一教会の歴史がよくわかる。 -
有田さんの爆弾発言連発!
なのに、マスコミでは報道できず…。 -
対談形式で書かれているので、統一教会問題が怖いくらいよくわかった。
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独占欲とはつくづく怖いものだと思う。