精神医学特論

著者 :
  • 放送大学教育振興会
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784595139321

感想・レビュー・書評

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  • 横断的な条件適用が目立つDSMやICDへの批判も、適宜織り込まれており、好感が持てる。こういう教科書って無かったよね。医学無謬論的なものが教科書には多いから、この本は信頼できる。

    以下、良かった記述。
    ・対症療法の積極的な意義の見出し(P100)
    ・頭部外傷後は、軽症に見えても専門医を受診すべき(P125)
    ・安易にボーダーラインとみなすといった誤った操作的判断は実際に生じがち。(P157)
    ・引っ越しによる認知症が始まったという認識は違う(P189)
    ・薬物療法の心理的意義(P204)※これすごい。
    ・面接の場の定期化は、生活を構造化する(P226)

    以下、試験対策用
    1.ヒポクラテス、ピネル、グリージンガー、クレペリン、ブロイラー、クロルプロマジンン、DSM(精神障害の診断と統計の手引き…操作主義、原因ではなく症状中心、多軸診断)、ICD(国際疾病分類…あらゆる病気を含む。統計の把握用)
    2.併存症、精神病性うつ病
    3.気分安定薬(リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸)
    4.陽性症状、陰性症状、シュナイダーの一級症状
    5.非定形抗精神病薬(陽性症状を抑える、再発を防ぐ)、電気ショック療法もあり。
    6.神経症という言葉は使わない。心因論から離れられないから。ICDとDSMの歩調が合ってない。SAD(社交不安恐怖)。予期不安とパニック障害。
    7.失語症は器質性障害。転換性障害(=心理的原因あり)ではない。シャルコーと神経症研究。疾病利得。メッセージ性。乖離と切り離せないのに、DSM4では切り離した。
    8.進行麻痺、梅毒、野口英世。コンサルテーション・リエゾン精神医学。逆行健忘。頭部外傷後の清明期。意識障害=意識混濁と意識変容。てんかん、H.ベルガー、脳波検査、1924年。タイプ、部位によって薬が違う。単純部分発作、複雑部分発作。部分発作、全般発作。
    9.知的障害(IQ70以下)。成因は代謝障害、染色体障害、内分泌障害。人口の2%。行動療法。ADHD。中枢神経刺激薬。男子多い。学齢期の3~5%。広汎性発達障害(自閉症)。2%。男子多い。
    10.カーンバーグの分裂splitting機制説明によってBPDが成り立つ。
    11.ICD10は心身症という名称は使っていない。シフニアスはアレキシサイミア(失感情言語症)を指摘。心身症。物質誘発性障害(中毒)と物質使用障害(依存)。単純酩酊と複雑酩酊と病的酩酊(脳気質障害の可能性大)。平均余命が10~20年短い。
    12.認知症…記憶障害と認知障害が条件。ピック病。レビー小体はピック病のような認知症。
    13.錐体外路症状(パーキンソン病的)がない非定形抗精神病薬。ベンゾジアゼピン系(睡眠薬、抗不安薬、抗けいれん薬、筋弛緩作用)
    14.サリヴァン:関与しながらの観察。
    15.任意入院、措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院。心身喪失者、心神耗弱者。

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著者プロフィール

精神科医・東京愛成会たかつきクリニック

「2021年 『ガイドラインにないリアル精神科薬物療法をガイドする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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