若き乙女の婚礼 (ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596332875

作品紹介・あらすじ

愛なき“救世主”にめとられ、
若き花嫁は冷たい情熱に震えた。

オリアンは18歳にして叔父から金細工の店を任されているしっかり者。
けれども今、窮地に陥っていた――店にあったはずの貴重品が消え、
帳簿の数字が何者かの手で書き換えられてしまったのだ。
しかも、従兄がオリアンの仕業だと声高に訴えはじめた。
かわいがってくれた叔父はならず者に襲われてこの世を去り、
彼女をかばう者は誰もいないと思われたが、たった一人だけ、
領主のサー・ユーアンが救いの手を差し伸べた。
彼はオリアンを妻にする代わりに、従兄を黙らせると約束した。
でも、これははたして救いなの? 彼は唇を奪い、こう言い放ったのだ。
「両親が望んでいる孫を産んでくれれば、きみの愛など必要ない」

ひたむきな乙女を妻に迎えたいと言いながらも、そこに愛は介在しない、と冷淡な態度をとるユーアン。一度は女子修道院に逃げこむオリアンですが、ふたたび領主館に連れ戻されてしまいます。若妻が初夜に怯えている気配を察知した夫がとった行動とは――!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。

    全体的な感想としては、本のあらすじ紹介から想像していたものとは少し違いました。
    叔父の営む金細工の店を任されていた少女オリアンは聡明で、勝ち気です。
    叔父の不幸な死により、それを引き起こしたのが領主の部下ではないかと疑い、単身、領主の元に乗り込んでいったところから、未来の夫となるユーアンに出会いました。
    ユーアンは冷たい印象ははするものの、知的かつ精悍な貴公子です。「跡継ぎを生むこと」を条件に、彼女の危急を救うことを約束。
    オリアンは彼へのせめてもの抵抗とばかりに、彼の友にして忠実な部下トマスと婚前に浮気を計ります。
    私、実はここのところは、ユーアンがトマスに化けてオリアンと関係を持ったのだとばかり思いこんでいました。
    しかし、しばらく読み進めていく中に、やはり相手はトマスだった、、、と「思いこまされた」のですが。
    やはり、相手はトマスではなくユーアンだったのだと後になって判ります。
    とんでもない不倫物語りではないかとショックを受け、自分の想像が容易く外れたと落ち込んでいたので、良い意味で二度作者の巧妙な仕掛けにまんまとハマり、裏切られた気分でした。
    以上のように、、非常に巧みなストーリー展開で読者は翻弄されますが、随所に見事な謎解きとその応えがちりばめられていて、読んでいて飽きないというか、なるほどと唸ることは請け合いです。

    とても読み応えのある物語りだと感じるのは、本書が300ページ近い長編だというのが理由だけではなく、その内容の濃さによるところも大きいでしょう。
    一つ気になったのは、ちょっと不自然に思える翻訳調とでもいえば良いのか、自然に心に入ってこない文章-言葉が少しあったことでした。
    最初はこれがかなり気になって作品世界に入りきることができなかったのですが、直に気にならなくなりました。
    慣れたのか、それとも最初だけだったのかは判りませんが。
    最初に予想と違ったというのは、オリアンの相手ユーアンが「あらすじ紹介」によれば、もっと冷酷な男性かと思ったからです。でも、初対面のシーンでも、そこまで冷淡なようには私には感じられませんでした。

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