公爵シルヴェスターの憂い (MIRA文庫)

  • ハーレクイン
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596915511

作品紹介・あらすじ

結婚になど微塵も興味のない公爵シルヴェスター。そんな彼もついに公爵家継承のため妻を娶る決心をする。花嫁候補令嬢のリストをつくり、母親にその中から選んでもらえばいいと安易に考えていたのだが、母は愛を信じようとしない息子に驚き呆れ、意外な令嬢を推薦してきた。亡き親友の娘フィービだ。彼はフィービと面会するため出向くが、彼女が求婚を拒絶して行方をくらましたと聞いて、怒りと同時になぜか好奇心を抱く。容姿より知性がまさっていると噂に聞く令嬢フィービには、何かとんでもないくわだてでもあるのだろうか?

感想・レビュー・書評

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  • ロマンス小説作家の祖というべきジョージェット・ヘイヤー円熟期の代表作。
    若き傲慢な公爵が理想の条件には外れた作家志望の娘と恋に落ちる話。

    若くして巨大な財産を継いだサルフォード公爵シルヴェスター。
    すべてに恵まれた彼は女性を本気で愛したことがなく、公爵家の後継のためにだけ結婚を考える。
    名門の美女のリストを作って母に渡し、選んでくれという息子に母は仰天。亡き親友の娘を推薦する。

    その娘フィービ・マーロウは、田舎育ちで、継母にきびしく躾けられ、むしろ良さを損なわれていた。
    おてんばで空想好きで、じつは文才はあるのだが、美人でも優雅でもない娘。
    見に行った公爵シルヴェスターは思わぬ拒絶に遭い、好奇心を覚える。

    フィービは幼馴染で兄のような隣人のトムと、ロンドンに住む祖母の元へ逃れようとする。
    駆け落ちと大騒ぎになるが、公爵は偶然困っている彼らを助けることに。

    フィービの祖母はロンドンに住む名流夫人。
    公爵の甥やあさはかな義妹、義妹の再婚相手の超おしゃれな貴族なども絡み、にぎやかな展開に。
    思ったままを口にする率直なフィービと付き合ううちに、公爵も少しずつ変わっていく。
    秘密を抱えて困惑するフィービと、自分の傲慢さに気づいていなかった公爵の~困る様子がなかなか楽しくって♪
    互いに誤解したり反発したりしつつもいつしか惹かれあうという様子が新鮮に描かれます。

    1957年の作品ですが、古さは感じさせません。
    さすがに時代が時代なので、今どきなら欠かせない?濃厚なラブシーンはないですけどね。
    ジェイン・オースティンを敬愛する著者は60作の小説を発表したそう。数作のミステリ以外はヒストリカル・ロマンス物で、ジャンルを確立した先駆者なのですね☆

  • 作家志望のフィービ・マーローと、サルフォード公爵シルヴェスター・レインのロマンス。
    初対面のイメージで傲慢な公爵を悪役モデルに小説を書いてしまったフィービは、その後公爵との関わりで好感が持てることを知るが、小説が出版されてしまった為…。
    ドタバタに巻き込まれるフィービの幼馴染のトム・オーデ19歳(脇役)は、次々と巻き込まれるトラブルへ対処していくうちに、どんどん如才ない大人へ成長していく。これはそんなトムがいい男へなっていく苦難と成長の物語である。(冗談)

  • 高い身分に生まれ育ったら、そりゃぁ知らないうちに傲慢になっているものでしょうね。

  • ロマンス小説作家としてデビューする彼女は、公爵を悪の主人公にしてしまって、彼の人柄を知り後悔する。
    フィービに苦虫をかみつぶしたような想いの公爵シルヴェスター。そんな彼が、ラストに取り乱して言い放つやけっぱちな求婚が、とてもクスっと笑ってしまった。

    前半の宿屋以降、二人の接点は少なく、フィービ視点が中心で、男女のドキドキを求めると、ハズれた感がするかも。
    公爵の思惑通りにならない彼女の行動が楽しく、出番の少ない彼の行動から心中を読み取っていくのが楽しい。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-2991.html

  • 3.3

  • ヘイヤー作品は割と好んで読んできたんだけど……
    作者自身は楽しんで書いたらしいけど……
    私はいまいちだったかな。

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著者プロフィール

1902年、英国ウィンブルドン生まれ。1921年にThe Black Mothで作家デビュー。歴史小説やスリラー、ミステリと幅広い執筆活動を展開し、日本でも「悪魔公爵の子」(1932)や「紳士と月夜の晒し台」(35)、「グレイストーンズ屋敷殺人事件」(38)、「令嬢ヴェネシア」(58)などが訳されている。1974年死去。

「2023年 『やかましい遺産争族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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