- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620108230
感想・レビュー・書評
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農業など第一次産業が生活の基盤であることも、
それに従事している人が減っていることも知っている。
でも、自らはなかなかそこには飛び込めないんだよな。
フリーのグラフィックデザイナーの恵介が、父が倒れたことをきっかけに、やむにやまれず専業農家である実家の苺栽培を手伝うことに。
農家を継ぐ決意があるわけではないが日々生長する苺を放っておけない、という場面、私ならもう枯れてしまっても仕方ないとあきらめると思う。
自分の許容範囲を超えているから。
無理して一人で働く母が心配なのもあるのだろうけど、農家として働く両親を幼少期に見てきて植物に対する愛が心の奥にあったのだろうなと思う。
「たいていの人間は、自然が好きだと言うが、自然は人間なんて嫌いだろう」
この1文が心に残った。 -
父親の入院という事態に、イチゴ農家の実家の手伝いを始めた広告デザイナー。
最初は仕方なく始めたイチゴ栽培であるが、その魅力に取りつかれ、やがて本腰を入れることになる。
イチゴ栽培については、著者自ら体験したかのように真に迫った描写で、また、主人公たちが収穫したイチゴを食べる場面は、思わずつばを飲み込みたくなるほど・・・
自然相手のイチゴ作りの苦労、夫婦の問題、姉たちとの絡み、近所の農家との付き合い、問題は山積するが、最後はすべてハッピーに。
「読んでいるだけで幸せな気分に浸れる」は、森沢明夫著『ヒカルの卵』のレビューに使ったフレーズだけど、この作品にも使いたい。
表紙帯の「人生応援小説」とは、言いえて妙。
数年前に、自宅の庭でイチゴを栽培したことがあったが、今年はまた取り組んでみるか。 -
読み終わり、爽やかな
本当に清々しい気持ちになった。
それと同時に野菜や果物の
ありがたみがしみじみ……
今まで値段が高いと思って
行ったことのなかった苺狩り。
今年は絶対行くぞ~! -
フリーでデザイナーをしている恵介。独立後は順調とはいえないなか、農家を営んでいる実家の父親が倒れたとの連絡が。当面嫌々ながら手伝うことにした恵介だが、奥さんは反対し子供と東京へ戻る。右も左も分からぬ中、恵介はイチゴ栽培に取り掛かる。
話の展開としてはなんとなく想像していたような流れだが、テンポよくユーモアを交える荻原ワールド。もちろん農業は簡単なものではないのだろうが、前向きなのがいい。ラストは荻原さん節でよかった。 -
読了が爽やかで希望満ち溢れてる最後がいい。
独立して仕事に苦戦しているグラフィックデザイナーの主人公が、倒れた父の代わりにやむなく始めた苺農家。
実際に作り手にならないと分からない事や、体感できない気持ち。
手探りの中、右も左も分からぬ農業に奔走して本当に大変だったろう。
飛んでいる蜂一つ見ても全てに経費が掛かり、その年の収穫が上手くいかなければ大赤字。
逆立ちしても覆せない天候にも振り回され…農家という生き方は自分の時間を費やしても費やしても、足りないのかもしれない。
地域のやり方に右倣えをやめてデザイナーだからこそ、他所から来たからこそ見つけた新しいやり方。
不安や後悔もある中、ひたむきに前だけみて進んでいく姿は、泥塗れだろうがきっと子供にとっては「格好いい姿」なのでは、ないだろうか。 -
嫌いだった…農業も田舎暮らしも。でも、そこに本当の自分はいた。父親の入院をきっかけに、主人公は人生や家族を見つめ直す。
頑張っている主人公を応援したくなります。
イチゴ農家の目線では、ツッコミ所満載ですが…,。 -
青臭いと野菜を嫌がる子どもに「本当の味を知らないから野菜が嫌いなんだ」と語るシーンが『美味しんぼ』にあった。農業従事者の減少については、あちこちで取り沙汰されている。じゃあどうするという問いに、一つの答えを示した作品。
綿密に勉強をして執筆されたことが伝わるリアルな農業の実態と、育てた生き物への愛情がストレートに伝わる主人公の語り口がよかった。
しのさんのレビューに触発され、この小説も是非読んでみたいと思いました。
いつも、ハナマルを有難うございます。
コメントありがとうございました。
とっても嬉しかったです(*'▽')
そうですね~最近では垣谷さんの農ライフ農...
コメントありがとうございました。
とっても嬉しかったです(*'▽')
そうですね~最近では垣谷さんの農ライフ農ガールが印象的です。
森沢明夫さんの「ヒカルの卵」も限界集落を描いててとっても素晴らしい作品でした。
奥田英朗さんの「向田理髪店」も限界集落のお話でした。こちらも素晴らしい作品でした。
本当に最近農業とか地域をテーマにした作品が増えていますね( *´艸`)
私のレビューでこの本を読んでみたいって思って下さってとっても嬉しいです。
ありがとうございます。
こちらこそ、いつもイイネ嬉しく思っています(*'ω'*)