満月の泥枕

著者 :
  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 695
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108308

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの道尾秀介作品。結構複雑な謎でした。

    P434
    「あんな、おいちゃん」
    初めて、汐子が顔を見て上げてこちらを見た。
    「幸せになってもええねんで」
    両目に夜を映しながら、真っ直ぐに二美男を見ていた。
    「毎日楽しくしててもええねんで。変わらへんもんは変わらへんねん。自分が苦労したかて、そんなんおんなしやろ。何も変わらへんやろ。そしたら、楽しいほうがええやん。まわりも楽しくなるやん」

  • とにかく洞窟のシーン長過ぎっ!
    映像ならともかく、文字では辛いものがある。

    登場人物それぞれが次々に起こす勘違いからくる
    ドミノ倒しのような謎解き
    まぁ、軽く読むにはいい作品なのかもだけど
    あまりに現実味がなさ過ぎて……。

  • *哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。ろくでもない生活の終わりは、いつくる?生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作! *

    下町風情の人々との関わり、あたたかな描写、せつない事情。ややドタバタを盛り過ぎなのと、途中の中だるみ感を除けば、さくさく面白く読めます。ラスト近くの、娘を死なせてしまった自分は罰を受け続けるしかない、幸せな日なんてあってはいけない…のくだりには泣けた。

  • 子どもを失ったおじさんに引き取られた汐子。自分の子どもの代わりじゃないけれど、汐子がいたから毎日の生活が遅れたのかも。
    しかし、こんなにも飲んだくれてたらあかんわ。
    アパートの住民の協力があってこそだね。
    問題解決できたら、それが自信となって生活改善にもつながるか。

  • いつもと違いあまり入り込めず、読むのに割と時間がかかってしまいました。
    暗がりや暗闇が多いから見えてこないのでしょうか?
    それとも、それまで読んだ設定を何度か崩さないといけない場面があるからでしょうか?
    思わせといてそうじゃないの連続でしたしたが、とりあえず読み終わりました。

  • 事故で娘を亡くし、妻も仕事も全てを失った男。
    義姉から姪っ子を引き取り、2人暮らしとなっても、自暴自棄な生活をしている。

    そこに起きた、殺人事件???
    姪っ子の同級生の言葉にまんまと踊らされ、祭にかこつけて、ある計画を断行する。
    同じアパートの人々も巻き込んでのドタバタ群像劇。


    池に沈んでいた頭蓋骨。
    小学生の男の子からの依頼。
    なかなかに重いお話かなと思ったら、所々、声に出して笑ってしまうところもあって、ミステリーというか、人情喜劇の要素が強いかなと思いました。

    あと、汐子といい猛流といい、子供達がすごく賢くて、機転が利いて、大人の心に刺さる言葉を突いてくる。
    こういう事をこの子達の年代にわかってあげれてたらな…と思ってしまう。

  • お勧め度:☆6個(満点10個)。道尾さんらしいストーリーで前作の「staph」同様どたばた喜劇みたいに感じるが、今回は最後にちょっとだけほろっとさせられる。
    内容は自分のせいで死なせてしまった娘への思いから自分は幸せになってはいけないと思い込む40代の哀れな男が娘と同年齢の姪を預かり育てていくという本筋だが、地元の祭りで一波乱、そのうえ岐阜の鉱山博物館での一波乱とまさにドタバタが続く。
    この男のキャラが素晴らしいし、姪の大阪弁、近所の住民の濃いキャラも相まっての面白過ぎる喜劇を見せつけられた気がする。

  • ふたりの男が池に向かったのに、「やめろ!」という声と水音の後、戻ってきたのはひとりだけ。これは酔っぱらいの夢か、現実か?
    半信半疑の状態から、事態は思わぬ方向へ。アパートの住人を巻き込んでの騒動からが、楽しい。軽いタッチのドタバタ劇。ミステリというより、エンタメ作品。

  • 「生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作」らしい。。

    癖のある個性的なキャラは出てくるのだが、なんか薄い。ミステリーというか、ドタバタ劇って感じ。
    以前の著者作品のような、背筋がゾクっとするような怪しさが懐かしい。

  • 目新しさはないが、王道できっちり作られた感があり、読了感がすっきりした。読みやすいです。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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