永遠のおでかけ(毎日文庫) (毎日文庫 ま 1-1)

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.96
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本棚登録 : 1823
感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620210339

作品紹介・あらすじ

ずっとそばにいてくれると思っていた人がいなくなってしまったら?
日常の尊さをしみじみと伝える益田ミリの代表作が文庫化! 新たな書き下ろしエッセイも収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「おでんを買いに」…じんときました。
    退院したばかりで体力が戻らないお父さんを誘い近くのコンビニへ。ふらついたら支えられるよう細心の注意を払いつつ、そうと悟られないよう隣を歩く著者。おでんの具を選ぶひととき。布の小銭入れをさっと出しお金を払うお父さんの姿が好きという。

    年をとった両親を気遣う益田さんの優しい眼差し。
    穏やかな気持ちになるエッセイでした。

  • 益田ミリさんが、叔父や父が亡くなる前に側にいて感じたこと、亡くなった後のふとした感情などを綴ったエッセイ。
    自分の母が亡くなった後の感情とかぶって、泣けた。
    文庫あとがきの、"どんな言葉も時間ほどの力は持っていなかった"という言葉は重い。
    それでもやはり、大切な人には日頃から想いを伝えたいと思った。

  • いつもそばにいてくれる人が、突然いなくなってしまったら?

    コミカルでふんわりと優しいコミックやエッセイが多い益田ミリさんですが、本作品は、叔父さんや父との別れの話です。

    何気ない日常のワンシーンを、キラリと光る言葉で綴る珠玉のエッセイ。

    どのエッセイもグッと来ますが、最後の『コロンの記憶』もウルウルです。
    皆さんに読んで欲しい一冊です。

  • 2021年5冊目。#読書好きな人と繋がりたい
    優しい言葉だけど甘くなくて、ベタベタされない程度に寄り添ってくれる「ちょうどいい」文章。父親の死は当然悲しいのだけれど、あくまで私や母の時間の流れの中で捉えているのが面白い。生きてるんだから甘いものが食べたくなったりするじゃない。そういうありのままが包み隠さず表現されていて、だからこそ父の死という心にぽっかり空いた穴が余計にフォーカスされる。
    余談だけど、結構序盤でお父さん亡くなるのは衝撃だったし、役所や銀行での件は共感しかないw

    そういえば以前、学生時代の友人とのオンライン飲み会で健康の話題で盛り上がったこと思い出しました。歳取ったかなとも思うが、皆どこかで残り時間を意識してるから、これからどう生きるか生きていくかをそれそれれが考えているようにも感じた。友人はもちろん、親や子どもとの関係を深く深く考えさせられた極上エッセイ。

  • 祝文庫化!
    毎日文庫?は初めてかも、、、

    永遠のおでかけ【毎日文庫】 | 毎日新聞出版
    http://mainichibooks.com/books/essay/post-755.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      推薦書籍『永遠のおでかけ』 | 私のBunkamuraドゥマゴ文学賞 | Bunkamura
      https://www.bunkamura....
      推薦書籍『永遠のおでかけ』 | 私のBunkamuraドゥマゴ文学賞 | Bunkamura
      https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/mybungakusho/article_sp.html

      【書評】『永遠のおでかけ』益田ミリ - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
      https://www.webdoku.jp/cafe/katayama/20180315135214.html
      2023/03/17
  • お父様を亡くされた益田さんが、それからの日々のことや、お父様がいらした日々のことを綴ったエッセイ集。
    思い出して鼻の奥がツンとなりそうになると、慌ててそこで思い出すのをやめる、というような記述が所々に見られるように、感傷的な文章ではありません。が、温かくて優しい文面からお父様に対する愛情が読み手にはしっかり伝わって、ほろほろきます。
    サラッと読めますが、読みながら「大事に生きよう」とか「気持ちは素直に伝えよう」とか、じんわり思います。
    たぶんこれから何度も読む本になりそうです。 

  • お父様が亡くなる前後をつづったエッセイ集。

    今当たり前にいる家族やねこもいつか私の前から居なくなってしまうのだ(もしくは私が先に逝く)と思うと、どうしようもなく悲しく怖いような気持ちになる。
    その時後悔しないように、日々素直に言葉で気持ちを伝え、面倒くさがらずに行動すること。日常を過ごしているとついつい忘れてしまうこういったことを再確認した。

  • この本を去年の年末に買ったのだけど、買った時にはこんな気持ちで読むことになるなんて想像もしていなかった。今読めてよかった。益田ミリさんのお父さんが病気になり、亡くなってからのことを描いたエッセイ。家族との思い出が溢れていて素敵な文章だった。「永遠のおでかけ」という言い方は、酒井順子さんの作品にならった言い方なのかな。
    『振り返ってみれば、どんな言葉も時間ほどの力は持っていなかった。』私も家族も、いつかそう思えますように。

  • 父が亡くなったときにわたしが感じていたこと
    考えていたこと。
    そのほとんどが、この本の中にあった。


    父が好きだったものを見たときだけでなく
    前触れもなくふと父を思ったときに感じる
    父への感謝と悔い。
    いままで言葉に表せなかった思いや心の揺れを
    ミリさんは、ぴったりの言葉と表現で
    代弁してくれた。
    あなたもきっとこうだったんじゃない?
    そう言われてるような気がした。


    大事な人が旅立ってしまったとき。
    自分とその場を包み込んでしまう空気や感情は
    ほんとうに独特だと思う。
    すごく悲しくて、絶望感でいっぱいなのに
    泣いていたかと思うと、集まった親戚たちと冗談言って笑ったり。


    「あー…こんなときでも笑うんだなぁ」
    そんなことを、何度も思ったのを覚えてる。


    悲しみとは別のところで日常の感情もあって
    あのときは、そういうものがぐちゃぐちゃに混ざったり、離れたりしながら
    目の前の現実と変わらず続いている日常をいったりきたりしてたんだって、いまだからわかる。


    父との、なにげない日々のやりとり。
    自分の命が長くないと悟りながら、最後まで闘うことを諦めなかった父。
    その現実を受け止めても、それでも一発逆転を信じたわたしたち。
    旅立つ瞬間、そのあとのこと。
    そして、いま。


    父が旅立ったことで
    わたしの中でなにかが確実に変わった。
    以前のわたしにはもう戻れない。
    でもそれは、悪いことじゃなくて。


    この本に出会えてよかった。
    ミリさんがこの本を書いてくれてよかった。


    いまでも写真立ての中で笑う父に向かって
    わんわん泣くことがたまにあるけれど
    そんなときは、ミリさんの言葉を思い出そう。



  • タイトルからして、悲しいお話であることは覚悟していた。やはり悲しく切ない気持ちになった。しかし、どこか温かくほっこりする部分もあった。

    ミリさんは、やっぱりどこまでもミリさんだなと。故人に対する思いは、その時々によっても変わってくるだろうし、色々な感情が混ざり合うものなのだと思う。後悔などももちろんあるけれど、「あの時ああすれば良かった」ではなく、それも含めてわたしなのだ、と当時の自分も丸ごと受け入れているのが、素敵だと思った。

    辛い時や悲しい時も、この後デパ地下でおいしいフルーツや食べ物を買うんだ、と思ったり、習い事にいつも通り行ったり一人旅に出かけたり、そういう息抜きの仕方も上手な人だなと改めて思った。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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