君と一緒に生きよう

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620319285

作品紹介・あらすじ

ブリーダー崩壊の現場を前に決意した島田さんは、ただちに救出を開始した。持参したケージに次々と犬を入れ、ワゴン車へと運びこむ。島田さん宅ではボランティアスタッフが53頭の到着を待っていた。知り合いのトリマーや獣医師も応援に駆けつけてくれた。痛みと、痒みと、空腹と、悪臭と-苦痛のなかでのみ生きてきた犬たちの、幸福への一歩がはじまった。人と犬のあいだで呼応する命の声-。犬と暮らす喜びと厳しさを描く、森絵都初のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 一読済みで遅れたとはいえ…感想を記述させて戴きます。

    別の著者の書籍では、殺処分ゼロを到達した自治体の話をドキュメンタリーやフィクションを加えた小説で記述されて既に出版されてますけども、その殺処分ゼロを到達した自治体も、昨年の大地震で…人を優先するために…又…と言う詐話(詐話が事実になるのはおろか、詐話自体が生じる自体も戴けませんが)も遭るだけに…やはり、全国的にも、動物のシェルターの創設に…自治体が積極的に関わって欲しいですね。

    当然所轄省庁が異なる(自治体は総務、動物は環境と検疫は厚生労働、資金(財源)は財務と言う4つの省庁)ので…共同した対応出来るプロジェクターズチームの創設を…御願いしたいですね…。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ブリーダー崩壊の現場を前に決意した島田さんは、ただちに救出を開始した。持参したケージに次々と犬を入れ、ワゴン車へと運びこむ。島田さん宅ではボランティアスタッフが53頭の到着を待っていた。知り合いのトリマーや獣医師も応援に駆けつけてくれた。痛みと、痒みと、空腹と、悪臭と―苦痛のなかでのみ生きてきた犬たちの、幸福への一歩がはじまった。人と犬のあいだで呼応する命の声―。犬と暮らす喜びと厳しさを描く、森絵都初のノンフィクション。

    ある意味想像していた通り酷い現状です。犬や猫と居るとわかりますが、彼らの心は僕らよりも繊細です。それなのに物のように扱われているのを思うと、胸の奥がきゅっと痛くなるようです。劣悪な環境で飢えと病気に苦しむ動物たち。ガス室に送られるのを待つだけの救われない命たち。どうしたらいいんでしょうね、出口の無いトンネル見たいですが、その中で必死に前に進もうとしている人たちの物語です。美談だけで終わらせない執念を感じるノンフィクションです。

  • Youtubeで保健所へ届けられた犬のドキュメンタリーを見ました。胸が締め付けられる思いで、もっと知りたいと思い、この本を読みました。ここで書かれている飼い主が見つかった犬は本の一部で、殺処分される犬の方が多いんですね。犬を飼う時はショップではなく、引き取りたいです。ペットショップで飼うのもできますが、それは犬を飼いたいのではなく、犬種で選んでますよね。動物を飼うことはそんなに容易い事ではない。飼えない、やーめたでは済まされない。動物を飼おうと思うときはこの本の最終章を読んでほしいし私自身も読みます

  • 殺処分される運命にある犬猫達を保護し信頼出来る飼い主を探す活動をしている民間団体に取材・同行したエッセイ。

    動物を飼う。
    ペットショップへ行けば、お金を払えば、誰でも簡単に買える。
    買うと飼うは違う。
    でもペットを商品としてしか見ていないブリーダーや、ファッションの一部のように扱う飼い主は後を絶たない。

    本来ペットを飼うためにはそのペットに対する知識、健康を維持するための経済力、家族の一員として最期まで責任をもつこと、ペットが向ける飼い主への愛情に心からの愛をもって応えること、まだまだあるだろうが「最低限必要な事」がたくさんある。

    そんなことはお構いなしな人達は、自分の都合で安易に保健所へペットを処分しにくる。
    貰い手を探す努力もせず、保護団体に相談をすることもせず、獣医による安楽死に立ち会うこともせず、見たくないものは蓋をして保健所へ押し付ける。

    なら最初から飼うな。
    お前はこれから死ぬまで二度と生き物を飼うな。
    ペットも満足に育てられないんだからコドモだって産むな、産ませるな。

    黒い怨嗟の言葉が後から後から出てきてしまって、こういうのは良くないと思っていてもなかなか止められない。
    こういう本がペットショップで売られているといいのにと思う。
    そして一日も早く日本の生き物を展示して売るというシステムが廃止され、ブリーダーから直接取引する形になることを望む。

    泣きすぎてちょっとしんどくなるような本でした。
    誰にでも勧められる本ではありません。
    でもペットを飼うことを考えている人、既に飼っている人には読んでもらいたいです。

    • フーミンさん
      ペットショップで『SALE』なんて掲げているのを見ると、怒りでどうしようもない気持ちになります。
      ”生き物を展示して売るというシステムの廃...
      ペットショップで『SALE』なんて掲げているのを見ると、怒りでどうしようもない気持ちになります。
      ”生き物を展示して売るというシステムの廃止” 同感です!!
      飼う側も、申請制なり資格制なり、そこまでしてもいいくらいです。
      少しでも改善される事を願うばかりです(>_<)
      2014/04/22
  • ペットショップで犬を買うことを非難はしないけれど、できるならば、保健所で死を待つ犬のことを少しでも思いだしてあげて欲しいと思いました。

  • 毎日新聞に連載された13のエピソードなどなどからなるノンフィクション。
    この種の本にありがちな団体とのタイアップではなく、またハッピーエンドのものも多い。ただ、最後の殺処分の様子は辛すぎる。ただ、職員の「毎回、涙がでる」という言葉にはわずかに救われる気がする。
    終生飼育です。

  • 犬の殺処分と保護、里親に関するノンフィクション。根底には問題提起があるので、やはりペット産業とか、安易に買う人のことを考えてしまいます。一方で動物愛護で動物試験が規制され、一方で野放図なペット販売が行われている現状にはアンバランスさを強く感じます。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:916||M
    資料ID:50900218

  • 犬を飼いたいな、と思っていて、たまたま手に取った本。
    でも、読んだ後、犬飼うのって気軽なものじゃないんだなぁと、改めて、飼うハードルがあがった気がした。

  • 今日本ではたくさんの犬猫が殺処分されている。

    知ってはいるけれど、どこか遠い話に思っていた。私自身2匹の犬を飼っているけれど、両方ともペットショップで出会った。

    子犬・子猫の譲渡会に行こうと思った事もある。でも実行には移さなかった。それをなんだか悪い事のように少しだけ思ってしまう内容だった。

    ここに書かれている飼い主の見つかった犬たちの話は本当に一握りの幸運なものなのだろう。最後の方に書かれたガス室送りの部分は胸が痛んだ。

    悪質なブリーダーや、無責任な飼い主には本当に腹が立つ。私が出来る事はうちにいる2匹を最後まで愛情をもって世話することなんだろう。もっと何かできるのか。今は分からない。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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