労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

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  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620323725

感想・レビュー・書評

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  • 長時間労働による生産性低下が、
    出産率の低下、労働人口の低下につながり、
    最終的には日本自体の崩壊に繋がるという
    負のスパイラルに陥ってしまうと警鐘を鳴らしている本。

    また、介護の問題にも着目していて、
    そもそも長時間働くことはできなくなり、
    かつ在宅勤務等の働き方の多様化が進むと言ってます。

    仕事は計画、プロセスと結果が大切であり、
    長く働けばいいというわけではないと思う。
    インプットの時間やプライベートの充実から生まれる、
    新しいアイデアなど、仕事以外の内容が
    仕事に繋がることも十分にある。

    この本でも書いてあるが、働き方を変えるなら今である。
    現在長時間で働いていて、労働力が一気に減ったとき、
    今と同じ生産性を保つことは絶対にできない。
    自分も積極的に働き方を変えたいと思う。

    【勉強になったこと】
    ・人口ボーナス期と人口オーナス期という定義があり、
     若者の比率が高い人口構造の状態が人口ボーナス期、
     その逆が人口オーナス期。
     日本は人口オーナス期を迎えており、
     今後もますます若者の比率は少なくなる。

    ・人口ボーナス期が終わった国に、
     二度と人口ボーナス期は訪れない。

    ・人間の脳は朝起きてたった13時間しか集中力は持たない。

    ・少数派の人材も、自分がこの組織においてメイン人材で
     あるという自信を持って発言できる状態になって、
     初めてダイバーシティが機能していると言える。
     多種多様でも発言する人が偏っている場合は、
     ダイバーシティとは言えない。

    ・早く帰るために、
     早め早めに準備する
     今日やらなければならない仕事を確実に片付ける
     明日やればよいことは明日やる
     10分悩んで解決しなかったらすぐに周囲に相談する

    ・働き方の多様化が生まれた結果、
     労働環境の悪い企業には人は集まらなくなった。
     人が集まらないのは、労働環境に問題がある。

    ・生産性の評価は時間あたりの生産性であるべき。
     期間単位だと残業して結果を出すといった発想が生まれる。

    ・働き方を変えるためにはコンサルや仕組みづくりも
     大事だが、自分たちで取り組むといった意識改革が大事。
     そのために、
      トップが率先して動く等、真剣に取り組む
      徹底的に見える化して現状を気づかせる
     といったことが大事。
     そのため、トップの意識改革は極めて重要だが、
     トップを変えるのは難しい。
     変えるのではなく、トップ自らに変わってもらうよう、
     働きかけることが重要。例えば、他の会社のトップの
     話を聞いてもらう。そういった情報をインプットさせる
     といったアプローチがよい。

    ・自分の人生の時間をどう使うかを主体的に決めること、
     すなわち自分の人生を自分でハンドリングしている感覚は、
     人間の幸福の大きな条件である。

    ・十分な実力がありながら、理由もなく自信を持てずに
     悩む症状のことを「詐欺師症候群」という。
     評価されても、大したことやってないのにという心情に
     なって悩んでしまうことで、女性によく見られる。

    ・いつでも社員と連絡が取れる状態は、
     何らかのストレスがかかっている状態。
     海外では休暇中の連絡をするとペナルティーを与える
     といった取り組みも出ている。

  • せまりくる大介護時代に震える。
    人口オーナス期の経済発展条件、もっとメディアがとりあげてくれたらいいのに…。
    何事にも当事者意識。

    #読みやすい#小室さん綺麗#なんだかんだ日本が好きな人は読んでみよう#子供が大人になるとき、日本は日本でいられるのか#本気出せ日本

  • 上を本気にさせること(意識改革させること)が重要。

    私自身、長時間労働なので、この本をよんで意識が変わった。今後のことを踏まえて、私自身が労働時間の革命を起こしていきたい。そう思えた本。

    いまだにわが社でも社内資料の「てにをは」ばかりを気にする上司がいる。それがどんな無駄なことか、ずっと思ってきたので、この本を読んで、私の感覚は間違っていなかったことにホッとした。

  • 文句なしの星5。
    すごく具体的で内容が濃い。
    わかりやすいしエビデンスがちゃんとあるので説得力がある。
    残業時間を減らす取り組みが生産性向上をもたらし、利益向上につながるということが伝わった。
    社長に読んでほしい。今のままだと、自分や自分のチームだけが残業時間を減らしても、暇だと思われるだけ。忙しい部署に異動させられて終わり。全社的に取り組む必要があると感じた。残業しない=善。の意識を高めたい。

    ・タイムオフプロジェクト→アメリカの労働者がすべての有休を消化した場合、120万人の雇用が創出され、20兆円の売上高が増加し、2兆5千万の税収増とされる研究。

    ・社内資料なのに「てにをは」「レイアウト」にこだわりすぎるのは生産性が悪い。

    ・少数派の人材も、自分がこの組織においてメイン人材であるという自信をもって発言できる状態になって初めてダイバーシティの意味がある。多様な人が参加してれば多様性があるということではない。

    ・詐欺師症候群→自分は評価に値する人間だとは思わずに、たいした能力もないのに褒められてしまったと罪悪感を覚え、まるで褒められたことが何かの間違いかの様に感じること。十分な実力がありながら理由もなく自信を持てずに悩む症状。自分の業績を褒められると、詐欺行為を働いたような気分になり、そのうち化けの皮が剥がれるに違いない、などと思ってしまう。

  • いつもの小室節。著者個人はちょっと好きになれないが、事例集は参考になります。

  • 日本企業の働き方改革・女性活躍がなぜ必要か、働き方改革・女性活躍がもらたすメリットを学ぶ上で非常に参考になる一冊。人事系の人にはオススメです。

    この本によると、働き方改革の一番良い方法は評価軸を「期間あたり生産性→時間あたり生産性」に切り替える事。これをしない限り、残業・休日労働を無制限にできやすい男性管理職が活躍し続け、それ以外の社員は活躍の可能性が制限されると思う。





    ※自分用メモ;その他参考になる指標
    ・夫の家事協力時間が、第二子以降の出生に顕著に影響する。週6時間以上の協力で第二子以降出生率80%
    ・人間の脳は朝起きてから13時間しか集中力が持たない。それ以降は酒酔い運転と同じ集中力になる。
    ・団塊世代が2017年な70代に突入し、介護で休む男性社員が大量発生する。

  •  株式会社ワークバランスというすごい会社名の会社の社長による著。
    少子高齢化社会を迎えている日本。労働生産性の向上が叫ばれるもうまく進まない。男女をフル活用できる組織・企業になる。なるべく短時間で働く。違う条件の人を揃えるという3つの戦略を紹介。
     基本的に時間外労働削減に必要な前提は、経営陣、上司が本気であること。あとは、朝メール、夕メールでやること、やったことを共有。やばい人は早めに助ける。カエル会議で議論し、より良い職場環境に向けた施策を出し納得して取り組む機会をつくり、それを上司がフォロー。実は上場会社ならどこでもやっている。コンサルの成果を控えめに入れていて、宣伝になりすぎない工夫も感じる。
    まさに、成果主義にいこうとした政府を止めて、プロセス重視の日本的なスタイルを作れるか皆が考えているなかで、気付きを与えてくれる。

  • 読み続けるうちに勇気が出てきた。長時間労働の削減、がんばろう!と思う。いや、必ず実現させる!

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著者プロフィール

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長。公立学校250校、民間企業2000社、7省庁の働き方改革コンサルティング実績を持つ。文部科学省「中央教育審議会」委員、「産業競争力会議」民間議員など複数の公務を歴任。2児の母。『男性の育休』(天野妙氏との共著、PHP新書)など著書多数。

「2023年 『先生がいなくなる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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