- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620325699
作品紹介・あらすじ
森友・加計問題から水道民営化まで。松尾貴史が世の中の“何かおかしい”を綴った痛快社会派エッセイ。立川志の輔との対談も収録。
感想・レビュー・書評
-
政治・社会・メディア・言葉に対する違和感をつらつらと書いたものです。
「違和感」とは、「しっくりこないさま。不自然な感じ。」です。
=政治=
政治家や官僚の振る舞いや答弁に対する違和感は私も多いです。
明らかな嘘やふざけた物言いが許されてしまう風潮。
・福島の原発はアンダーコントロールされている。
・日本の自衛とは違う目的の南スーダンへの自衛隊派遣。敵と「衝突」しているが「戦闘行為」ではない。
・桜を見る会で参加者を「募って」はいるが「募集」はしていない。
・困ったら「コメントする立場にない」と言っておけばよい。
・ズバリ本質を突かれたら「その指摘は当たらない」とだけ言って無視すればよい。
挙げればいくらでもありますが、これくらいにしておきます。
=社会=
大阪の下品なお座敷遊びから生まれたとも言われる「恵方巻」が全国的に流行り毎年大量に捨てられる。
国家権力者からの君が代斉唱と国旗掲載の強要。
政治の話題を自由に語れない風潮。すべての人の生活や未来に関わることなのに、「お前ごときが語るな」と(匿名で)非難され攻撃されること。
いつまで経っても無くならないコンビニの「エロ本」。
優先席で譲るべき人が目の前にいるのに譲らない人。優先席ではないからと、譲るべき人が目の前にいるのに譲らない人。
「混雑した社内へのベビーカーを伴った乗車」を迷惑だと思う人が20%もいること。
小学校のそばに住んでいる人が、子どもの声が迷惑な騒音だとクレームをつけること。
=メディア=
「VTRスタート」って、まだビデオテープ使ってるの?
映画やドラマで、殺しや窃盗や喧嘩やセクハラ・パワハラはOKなのに、煙草を悪の象徴のように扱う風潮。
自殺の方法を詳細に伝える報道。
「私は今、現場にいます。」は「ここが現場です。」で良いのに、「私」アピールが多すぎる。
通販番組の「個人の感想です」の字幕。
食べきれない量の料理の映像に「スタッフが、おいしくいただきました」の字幕。
まさにその放送を見ている時にチャイムと共に現れる、速報テロップ。
元犯罪関係者の証言での「音声を変えています」操作。
なだぎ武と友近がギャグにするような、外国人インタビューの能天気で愚かしいキャラのアテレコ。
事故や犯罪に遭った被害者の生前の写真やビデオを何度も放送する。(誰が提供したの?)
本書にはないが、私個人が気になっていること。
・結婚報道の「妊娠」の有無に触れる一言。
・「自称」会社員とか、「自称」大学生とかの「自称○○」。
・名前を隠したいのにわざわざ、松尾貴史(仮名)とする時の仮名の付け方。
=言葉=
「何気に」。若者が仲間内で使っているならいいが、テレビのニュースキャスターが使うのはNG。
ニュースでしか聞かない、バール「のようなもの」。
「帰宅途中の女性が女に襲われた」とは言うが「帰宅途中の女が女性に襲われた」とは言わない。
茶道関係のものは茶筒とか茶器など軒並み「チャ」と読むのに、茶道だけ「サ」。
「活字離れ」。スマホやパソコンで「文字」を読んでいる人は多いので「書籍新聞離れ」では?
「○○になります」。「こちらが火災のあった配電盤になります」の「配電盤になります」はおかしい。「配電盤です」でしょ。
「違和感」を覚えることは、人それぞれ異なるのでしょうが、私と松尾貴史さんの共通点は多いみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ご本人のツイッター含め、普段からネット上でいろいろな人のいろいろな視点の意見を見ているため、本にまとめたものはあまり新鮮さはなかったかな…
-
ツイッターやフェイスブックなどでは時事問題や社会情勢、政治の問題などを「遠慮」する空気がある。迂闊なことを書くと気分を害する人がいると心配して。しかし全ての人や自分の子供や孫たちの生活、命、未来に関わることなのに、それを語れない窮屈で不自由な場とは何なのか。世の中の空気がおかしな方向へ変わっているのに無関心を装っていると、大事なことを意思表示しないうちに後戻りできないところまで行ってしまうのではないか。自分の暮らすこの国を愛すればこそどうあるべきかを語ることが大事。
-
日常において違和感を覚えることが増えている。政治、社会、メディア、言葉の違和感とは?その多くは間違いに起因する。社会生活に弊害がなければユーモアになるが、国家や国民に悪影響を及ぼすものに違和を感じないことほど愚かなものはない。
-
権力者の振る舞いに、大手メディアに、言葉や表現に…・・・
もの言うタレント“キッチュ”松尾貴史が「ある種の権威」に感じる違和感を書き尽くした辛口社会派エッセイ
《世の中全体がおかしな方向へずれていくと、それに違和感を覚える少数派は、本来中心的な立ち位置であったにもかかわらず、偏った存在のように見られることになります。》
2012年に始まった毎日新聞の連載コラムに加筆修正して単行本化
巻末には立川志の輔との対談を収録