- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620327389
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2022年7月号
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世界7カ国の少子化事情を掘り下げながら、日本の少子化問題を考察する本。「子供が増えれば幸せなのか」というタイトルに惹かれて手に取ったが、各国事情の取り上げ方や本題へのアプローチなどが非常に分かりやすく面白かった。
少子化は何語問題なのか。人口減による経済的損失や福祉制度の破綻が指摘されるものの、それは労働生産性の停滞が問題であり、人口減が根本的な問題なのではない。少子化問題で根本的に解決すべきは、出産・子育てを思い通りにできない境遇が存在してしまうことと、人口減が止まる兆しが見えてないことにある。
少子化の議論にはリプロダクティブ・ライツ(性や生殖に関する権利)の観点と国力維持の観点があるが、多様化する世の中では「人権」の観点から議論されるべきだ。
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止まらない日本の少子化問題に対し、
毎日新聞の記者がアジアやヨーロッパ諸国の出産・育児支援策を調査し
今後の日本の政策の在り方について言及した本。
各国の歴史や国民性を背景にすると出産、子育てを取り巻く状況は本当に様々で
日本が際立ってレベルが低い、というわけではないことが分かりました。
と同時に、
もし国が出生率を上げたいのならばまずは
個人ないし家族単位での仕事や生活における幸福度を上げる努力をするべきで
子どもを産む数はあくまで結果論であるのだと思いました。
これらを踏まえると、
少子化対策を謳いながら子ども手当や各種給付金に所得制限を設け
増幅の対象が出産育児金、といった政策を打ち出す日本の方向性は
果たして本当にそれで良いのか、と疑問を感じずにはいられません。。
一方で、社会的弱者とされる女性の権利を保証しすぎると
出産育児も人生のオプションになる(よって出生率が下がる)、
という旨の記述がありましたが
まぁその通りではあるのでしょうけれども
通過点として必要なのでは、とも思います。
色々と思うところはありますが
全ての人に平等に恩恵を与え人生を充実させ子孫の繁栄を促す、というのは
到底無理な話であるとも思っているので
どこに特化するか、という話であるのでしょうし
こういった本を読んで、
それぞれが自分の意見をしっかり持つことが大事なのだと思いました。 -
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第1章 韓国/世界最低水準の国で起きている若者の結婚離れ
第2章 中国/「一人っ子政策」の宿痾に縛られる少子化大国
第3章 フランス/「少子化対策先進国」に息づく権利獲得の文化
第4章 イスラエル/家族重視の価値観がつくる少子化対策先進国
第5章 米国/技術革新と企業の支援で加速する少子化対策の功罪
第6章 ハンガリー/危機感に突き動かされた“本気”の施策と不寛容の表裏一体
第7章 フィンランド/リベラルな国が苦悩する「個人の自由」と「社会全体の利益」のひずみ
終章 少子化の何が問題か 少子化がもたらす未来のシナリオとその対策とは