あなたの牛を追いなさい

  • 毎日新聞出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620327631

作品紹介・あらすじ

禅僧×俳優の現代禅問答
「十牛図」が教えてくれる人生でもっとも大切なこと

「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた禅僧の枡野俊明さんと、このたび還暦を迎える(2023年1月19日に60歳)俳優の松重豊さんが、「本当の自分」になるための心のあり方、考え方、行動について語り尽くした一冊。
将来が不安、仕事で行き詰まっている、人間関係が思うようにならない……日々生きていく上で湧いてくるモヤモヤの根っこはいったいどこにあるのか? 悟りに至る10段階を見える化した禅の最強フレームワーク「十牛図」に沿って、今の自分を読み解きます。
現在、世界的庭園デザイナーとしても活躍する枡野俊明さんが語る「禅の庭」、松重豊さんの、芝居や「演じること」への向き合い方や若き日の迷いなど、豊富な話題を織り交ぜてお届けします。


序章 縁あって牛を探しに
1章 牛を探す、その前に
2章 牛探しの旅に出発
3章 暴れる牛と私の行方
4章 道草を食いながら――人生相談
5章 再び街へ出かけよう

感想・レビュー・書評

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  • 十牛図について建功寺住職と俳優松重豊が対談しながら解説していく。
    西田幾多郎記念哲学館にも十牛図があり、見た当時八番目の空白以降は理解できなかった記憶。
    読んでてなるほどと思った。
    「健康、幸せとは何か?」に似た問いに感じた。
    それを意識せずに過ごせていることがそれそのものである。
    即今、当処、自己。
    今、ここで、私が、生きる。
    (あるべきものが、あるへまきところに、あるべきように、ある)
    82冊目読了。

  • 雑誌プレジデントを読んでいた中で本の紹介に載っており、十牛図を知らなかったので自分の人生観を練り上げていく上で参考にしたいという想いと、俳優松重豊さんが本を書いているとは知らずドラマ孤独のグルメでも良い演技をするなぁと惹かれていたので、二重に関心を持って読み始めました。

    十牛図についての松野さんの解説と、松重豊さんの人生とを重ねながら、禅の思想・悟りについて分かりやすく順を追って理解を深めることができる一冊でした。対談形式でとても読みやすいのでおすすめです!

    自分が今、十牛図のどの段階にいるのかもじっくり考えてみたいと思わされましたが、まずは「禅=頭で学ぶだけでなく、身体で実践していく哲学」を日常から実践すべく、自分の心の汚れを落とすために心をこめて丁寧に掃除をすること、脱いだ靴を揃えるなど日常の所作一つ一つに心を込めて丁寧に行うことから心がけます。

  • 肝心の十牛図のお話はそれほど頭に入ってこなかった(私のせいです)

    印象に残る言葉がいくつかあり響いた
    だからこの本に会えてよかった

    『丁寧に一瞬一瞬を過ごしていくと、心も落ち着いてきて、乱れなくなります』
    所作によって心持ちが変わるということ、時間に余裕がある今実感する

    『自分の頭で考えて、考えて、考えてーーー。そして自分で環境を変えると決心したならば、それはもう逃げではない』
    自分なりに考え抜いて環境を変えることにしたけれど、心のどこかでこれでよかったかと思っていた
    でもそれでよかったんだなとストンと落ちた

  • 「十牛図」というものを
    はじめて知りました。
    昔の人が「禅」の教えを説くのに
    わかりやすく絵にしたものなのね。

    「牛」を探して、見つけて、追って…
    それがちょうど「生きる目的」を
    探す過程のようだと。

    おふたりの対談のリズムが
    やっぱりなんとなく禅問答のようで
    気持ちよく読み終わりました。

  • 十牛図は知らなかったので、お二人のやりとりを見ながら、自分ごとに置き換えながら考えられた。非常に有益。

  • 当たり役孤独のグルメの井の頭五郎、朝ドラカムカムの虚無蔵、
    そして大河ドラマ「どうする家康」の石川数正と、
    今や売れっ子俳優松重豊60歳、還暦。
    そんな彼が、売れない舞台俳優時代に師として学んだ枡野 俊明禅僧を訪ね、
    「十牛図」についてあらためて教えを乞うた、対談本。

    十牛図

    尋牛(じんぎゅう)
    見跡(けんせき)
    見牛(けんぎゅう)
    得牛(とくぎゅう)
    牧牛(ぼくぎゅう)
    騎牛帰家(きぎゅうきか)
    忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん)
    人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)
    返本還源(へんぽんげんげん)
    入鄽垂手(にってんすいしゅ)

    禅の教え、悟りについて十の言葉と絵でまとめた十牛図。
    私はこの本で初めて知ったが、なかなか興味深い。
    それ以上に、この禅僧、日本初の庭園デザイナーでもある。
    禅を形にしたのが庭園、その極みが京都広隆寺と。

    私は学生の頃見に行ったきりで、この本に書かれているような心持には到底なれなかった。
    ぜひまた訪れたいと改めて思う。

    舞台だけでは家族を養えず、バイトをしていた松重さん。
    そうした中でも役作りに対して真摯に向き合っていたことがこの対談からうかがえる。

    ごろうさんは何も演じていないところが結果的に11年目に入る人気番組になったとか、、
    情報過多ではいかんと。

    考えさせられる。

    序章 縁あって牛を探しに

    1章 牛を探す、その前に

    2章 牛探しの旅に出発 (「十牛図」一~三)

    3章 暴れる牛と私の行方 (「十牛図」四~七)

    4章 道草を食いながらーー人生相談

    5章 再び街へ出かけよう(「十牛図」八~十)

  • 十牛図とは禅の修行を表した中国の宋の時代に作られた絵解き図。悟りに至るまでの道のりが説明されています。『あなたの牛』とは、余計なプライドや迷いなどが削ぎ落とされた『本当の自分』のこと。到達できないけど悟るとはなんとシンプルなことかと感じました。『今、ここで、私が、生きる』。これを何百年も前の人達も人生の指針にしていたのかと想像すると、人間はいつの時代も悩んでいたんだなと、日々悩みの多い自分を許せる気がします。

  • 目の前のことを一生懸命にやることで、遠くに行けるし、それ以外に近道はないと思いました。ハートのエースから離れる。

  • 「心静かに自らの生き方を見つめ、その生き方を極めていこうとする「禅」は、大いに現代社会に暮らす人々の拠りどころになれるものです。「禅」は決して禅僧だけのものではありません。多くの人々に大きな示唆を与えてくれるものです。(中略)今回の対談は単なる対談ではなく、対談そのものが、濃密な時間であり、お互いの魂と魂が行きかうものでありました。その内容をまとめたのが本書です。従いまして、本書は、自らの生き方を究めていこうとする方、禅的生き方を目指す方、自らの仕事に禅の考え方を活かしたいと考える方々にとって、大いに拠りどころになる内容ではないかと思っています。」――枡野俊明(「おわりに」より) 【もくじ】
    序章 縁あって牛を探しに
    1章 牛を探す、その前に
    2章 牛探しの旅に出発
    3章 暴れる牛と私の行方
    4章 道草を食いながら――人生相談
    5章 再び街へ出かけよう

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著者プロフィール

枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年『ニューズウィーク』日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。近年は講演活動や執筆も積極的に行い、ベストセラー・ロングセラー多数。

「2023年 『仏にゃんのふわもこやさしい仏教の教え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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