- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620327822
感想・レビュー・書評
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本が好きです。
ただ、私の好みはかなり偏っているので
不得意な分野というか
読んだことのないジャンルの本も数多くあります。
エッセイもそのひとつ。
新聞や雑誌等々に書かれているコラムは読みますが
一冊の本としてのエッセイはあまり読みません。
エッセイが嫌いというわけではなく
エッセイよりも小説の方が好きというだけで
これまであまり読んでこなかったのです。
今回手にしたのは酒井順子さんのエッセイ。
この本の「読書エッセイ」というところに惹かれました。
仕事、暮らし、家族、女の人生…表があれば、裏もある。
本書は、本の世界から平成・令和の世相を鋭く読み解く読書エッセイ!
(引用:朝日新聞出版・書籍紹介)
この本の中で一番興味をそそられたのは
Ⅱ.暮らしを巡る本
それぞれの「ていねい」
で紹介されている
『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』佐光紀子著・光文社新書
ここに書かれている
「ていねい」好きな日本女性、家事のハードルを自分で上げておいてヘトヘトに、
というケースも多い。
に大きく首肯してしまいました。
私、「ていねい」好きかと問われれば、そうとも言えないのですが
「自分でハードルを上げておいてヘトヘトに」に関しては
まさにその通りです。
”やななければならない”と自分で自分を追い込むことがあって
これがちょっとしたコンプレックスでもあるのですが
この本を読んで、それもまあいいやん!と思ったり。
2010~20年代初頭の話題作を酒井さんならではの視点で深掘りしています。
この本を読まなかったら
知ることがなかっただろう著者や作品がたくさん。
中には読んだことのある本もあったり
読んでみたいと思う本もあったけれど。。。
ほとんどはたぶん読まない(汗)
酒井さんのエッセイで
読んだ気になれたから。。。
本には好き嫌いもあるし。
色んな読み方ができるし。
読みたいときに読みたい本を読めば
自分なりに深堀りできて
たま~に、大きな影響を受けたりすることも
あったり、なかったり。。。(笑)
それが読書の魅力でもあって。
この本を読みながら改めてそう思ったり。 -
酒井順子さんのエッセイが大好きで、共著含めこれで
39冊になりました。Thank You!
「週刊文春」に連載されている「読書日記」から抜粋
再構成したもので、レビューと言えなくもないですが
エッセイであり、テーマにそって本が紹介されているという感じ。
たとえば「鉄道が変える人生」はこんなふうに始まります。
〈「道の駅」が流行っているが、駅とはもともと道にある「うまや」。しかし鉄道が発達したせいで駅といえば鉄道のそれを指すようになったわけで、本来であれば鉄道の駅を「鉄の駅」とか「線路の駅」と言うべきなのだろう。
このように、交通機関がどう発達するかによって、世の中は変わる。北前船の時代は、日本海側に当たっていたスポットライトも、鉄道の時代となると、太平洋側に当たるように。「駅前」とは繁華街を意味するようになったが、その後自動車の時代となれば、駅前商店街はシャッター通りと化し、街道沿いの大型店が繁盛するように……。
交通機関は、世の中と人生を動かす。中でも、もっとも人生と関連づけやすい乗り物が、レールによる縛りを宿命づけられる鉄道だろう〉
そして『電車道』(磯﨑憲一郎)『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(1)東急・小田急』(今尾恵介)『金沢の不思議』(村松友視)『汽車旅の酒』(吉田健一)が紹介されます。
読みたくなるー。 -
「週刊文春」連載の「私の読書日記」をまとめた、ブックレビュー。
同時期に、酒井さんによる別のブックレビュー本も読んでいたのだが、そちらは比較的スイスイと読めたのに対しこちらは時間がかかった。それは、取り上げられる本がずっしりくるものが多く、自分の中で咀嚼し、反芻することが必要だったから。
まえがきは、いつもの酒井さんなノリの「です・ます」調なんだけど、本文は「である」調で、割と硬派な雰囲気。深い考察で真摯に本と向き合い、魅力を伝えてくれる姿勢がとてもいいなと思った。
本書のかわいらしいイラストと、落ち着いた色遣いも大好き。「本棚には裏がある」というタイトルだけど、私は酒井さんにも裏があると思いましたよ!いい意味で!!酒井さんの読者歴は長いですが、まだまだ裏切られる嬉しさ。様々な本の紹介から透けて見える、この世の中。酒井さんも信頼できるレビュアーの一人である。 -
一般の方の感想も面白いが、作家が書く読書の感想はさらに面白い。
筆者は古典や旅行や小説、外国文学と幅広く多くの本を読んでおり、本を楽しく紹介してくれるので、また読みたい本が増えることとなってしまった。
既読の本については、紹介されると著者のファンという訳でもないのに何故か嬉しくなる。
オバマ大統領が愛読していたという「運命と復讐」に興味が湧いた。
外から見たら理想の夫婦でも、妻には夫に話していないことがある…この辺りは普通だが、結婚することの意味を考えるきっかけとなりそうな本である。
また、何の本か忘れたが、現代の男子は料理をしたり美容についても話ができるようになってきたという記述があって、面白く感じた。昭和の時代には考えられなかったと思う。私の夫もファンデーションを最近使い始めたが、肌が綺麗に見えて良いと思う。(ただ、メイク落としを雑に肌に擦り付けてメイクを落としているので、もう少し美容知識を得てほしいと思う。) -
本書は「週刊文春」連載の「私の読書日記」をまとめたもの。幅広いジャンルを縦横に読みこなし、本のガイドブックとして面白かった。が、人間、歳を取ると、選書の傾向も固まってきて、「なるほどなぁ」とは思うけど、触手を動かしたくなる本はあまり多くなかった。
酒井順子は、ほぼ同世代。デビューの頃から「オリーブ」で読んでいたし、『負け犬の遠吠え』は共感しまくりだった。『出したり、入れたり』(逆だったかな?)は物事を切り取る視点の鋭さに、さすがだなぁと思っていたけれど、最近は、自分とは違う道を進んでいるんだなぁと思うことが増えた。この本もそんな酒井さんとの距離を確認したような読後感。
また時間が経ったら、彼女を身近に感じることがあるのかもしれない。
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書評として面白い
毎回3冊紹介され、何かしらテーマがある
面白いと書いているわけでないが、とても面白い本のような気がする
実際のレビューを見るとそんなでもなかったりするので、書評が面白いのだ
何冊かをテーマをもって選書するというのはいいなあ -
読んでみたい本がたくさん出てきた。