光る原子、波うつ電子

著者 :
  • 丸善
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621079430

作品紹介・あらすじ

平易な文章で語る、現代物理学のエッセンス。日常的な題材を用いて、たくさんのイラストや写真で"図解"しながら、独自の視点でまとめた解説が、原子物理について、さらには量子力学についての深い理解を促します。1941年から1944年まで、雑誌『図解科学』に連載された10編の解説を初めて単行本化。当時「伏見康治博士の学硯いよいよ冴え…」と絶賛された解説記事が、ここによみがえります。

感想・レビュー・書評

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  • 物理学の基本的な要素である原子、電子について、分かりやすく説明されています。
    第1章は分子の動きについて、直感的に分かるように、時間と空間について拡大し、静止して表現し、時間を動かすという具合に、段階を追って説明しています。
    1940年代に書かれたものであるため、当時の文化を反映してます。学説、用語も当時のものですが、科学的な事項と用語については、現代の用語、理論を紹介する著者による注がついています。

    カロリーからジュールへなど単位の変遷(P27)。
    用語の変遷で相跨結合は現代では使われてないこと(p49)。
    陽極線が「つたなく」陽電気線というべき(p99)。

    硬軟取り合わせた注から、物理学の近代史を垣間見ることができるかもしれません。

    これまで、学校での理科の教え方は、理解することを大切にしていないような気がしていました。でも、どうすればよいかが分かっていませんでした。本書を読んで、理科、物理学の教え方が少しわかったような気がしました。

    中学生以上のお子さんに、読んでもらえるとうれしいです。
    学校の先生なら小学校から大学の先生まで、物理に関連することを教えようとする先生はみんなに読んでもらえるとよいと思います。

    ps.1
    関連する資料が物理学会のWEBに記録があります。
    http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/butsuri/50th/noframe/50(3)/50th-p189.html

    後書きに書いている関係者の高田誠二さんの「科学雑誌の戦前と戦後」という文章です。

    ps.2
    初版P148頁2行、
    「電極が入っているだけものですが、」は、
    「電極が入っているだけのものですが、」でしょうか。

    ps.3
    著者は、後に「折り紙の幾何学」を著しています。

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著者プロフィール

故人

「2015年 『物理学論文選集・原子力論集 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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