- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621301791
作品紹介・あらすじ
プロ棋士に勝ったAIは「弱い」?!人工知能の実像に迫る9名へのインタビュー集。
感想・レビュー・書評
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中古で安く買った本。
人工知能に関する専門家たちの対談集で、タイトルの通り「強いAI・弱いAI」にトークテーマをフォーカスしている。対談なので、技術書や専門書とは異なり、気軽にさらっと読める。
元々「強いAI・弱いAI」に対して理解が不足していると感じていた上、専門書でも「強いAIは~~である」といった定義はしてくれない分野でもあり、理解を深めるにはいい本だったと感じた。
発売から5年が経過しているが、十分今でも価値はある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
強いAIとは何かを考えたい人におすすめ。
【概要】
●人工知能に携わる複数の著名人との対談
【感想】
●強いAI、弱いAIとは何か具体的に知ることができた。
汎用型AIと強いAIの違いについても理解することができた。
●強いAIに関する解釈は、人によって異なる部分があるが、その定義は重要ではなく、その実現を社会の何に役立てていくかが重要である。
●本書に書かれている技術には、まだ見えていない部分もあるが、何年かした先に飛躍的な技術の進展があったとしたら、また振り返って本書を読むのも面白いだろう。 -
図書館で借りた。対談ね
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学者たちがAIについて語っていく本。面白い考え方があるにはある。拾うのが大変。
人は本能的に「コンピューターに意識や知能を持たれたくない」と考えている。特に西洋はその傾向が強い。人間を霊長類(top)と捉えている。
中国人の部屋ー相手の応答に合わせて何を返すかを選ぶという作業が知識。
環境ーパターン処理ー記号システムー知識・社会、DL以前はパターン空間(特徴量空間)をうまく処理できず、すぐに記号につなげていた。
片付けロボットができたらいい。
AIには本能というものがない、恐怖感とか。恐怖心がないおかげで新しい見方ができるという点もある。
記号設置問題、カップとはなにか、形なのか、用途なのか。カップのように使えるバケツはカップなのか -
松尾豊氏、松原仁氏など9名の研究者に強いAI・弱いAIという切り口で、インタビューを行い人工知能を紐解きます。強いAIとは自我、自意識を持つとするも、数学の発展、身体性が重要、脳科学からとそのアプローチの方法は様々です。強いAIへの道は人間の自我・自意識の解明と歩調を合わせた合わせた長い旅になりそうです。
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:007.13||T
資料ID:95180150
プロ棋士に勝ったAIは「弱い」?! 強いAI・弱いAIという視点で人工知能の実像に迫る、第一線の研究者9名へのインタビュー集。
(生化学研究室 大塚先生推薦) -
『強いAI・弱いAI ―― 研究者に聞く人工知能の実像』
著者:鳥海不二夫
企画・編集・取材協力:森岡知範(スタジオAK)
【版元】
四六判 274ページ
ISBN 978-4-621-30179-1
定価 本体1,800円 +税
2017年10月発売
あなたは人工知能についてどのようなイメージ・印象をお持ちでしょうか?
テレビ・雑誌などのメディアが人工知能(AI)を取り上げる機会が増え、人工知能・AIがブームとなり話題になっているといえます。多くの企業が人工知能を製品・サービスに採用し、少しずつ私たちの生活の中に人工知能が進出しはじめています。 人工知能から、「ドラえもん」「鉄腕アトム」といった意識・自我を有した知的で万能な存在を想像するかもしれませんが、実際の人工知能の現在の段階では、特定のことができる便利な道具といったレベルのものです。
本書では、そのようにSF作品などに登場する、意識や自我を有した人工知能を「強いAI」、現在実際に存在する人工知能を「弱いAI」とし、その違いを理解するため、人工知能研究の第一線で活躍する9名の研究者へ行ったインタビュー集をまとめた一冊です。「強いAI」「弱いAI」いずれも様々な視点があるため、各研究者がそれぞれの考えを述べて解説しています。
人工知能にご興味のある学生の方、ビジネスマンの方、事業と人工知能を結び付けたいとお考えの経営者の方など、幅広い層の方々におすすめの一冊です。
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/news_event/2017/130179.html
【目次】
まえがき [iii-vi]
目次 [vii-xi]
チューリングの手のひらの上で 001
話し手・松原仁
強いAIの出発点/ダートマス会議/ゲーデルの不完全性定理による反論/コンピューターに知能は持たれたくないという思想/西洋の思考と東洋の思考/マルチタスクをこなすための意識/意識と自意識、そして自我や心の定義/人間の自意識・自我の生成/AIは進化的に自我を発生させるのか、人が与えるのか/ディープラーニングではAIは自我に目覚めない/AIは直観力を持つのか/人を凌駕し始めたAI
次のブレークスルーのために 028
話し手・山田誠二
第三次ブームとガートナーのハイプ・サイクル/第二次ブームが残したもの/30年間の継続が実を結んだディープラーニング/第二次ブームと第三次ブームの違い/ディープラーニングだけがAIではない/ディープラーニングはいまどう利用されているのか/第三次ブームの終焉とは/シンギュラリティは誤解されている/数学的ブレークスルーが強いAIを生み出す/人間とAIの共生社会を目指して
強いAIの前に弱いAIでできること 053
話し手・松尾豊
ディープラーニングによるイノベーション/ディープラーニングに先を越された/シンボルは知能のターボエンジン/ディープラーニングにできることには限界があるが、その先にあるものが果てしない/ディープラーニングは強いAIそのものにはならない/片付けロボットが世界を革新する/世界のグーグルの強さ/強いAIについて議論するには早すぎる
汎用人工知能と真の対話エージェント 075
話し手・東中竜一郎
対話エージェントの黎明期、または二人の思い出話/対話エージェントの進化/オープンドメインへの挑戦/ソーシャルロボットの台頭/ジェミノイドとマツコロイド/難解な複数人での会は/まだまだ? 頑張っている? ペッパーくん/対話システムと倫理/AIが自律して思考し、話をするとき
人工知能が将棋を指したいと思う日 099
話し手・羽生善治
囲碁・将棋を襲うAIの波/AIの思考とプロ棋士の思考/人の思考とAIの思考の類似/将棋や囲碁のAIは意思を持つのか?/AIと人の違いは生物としての本能/AIには接待ゴルフはできない/AIが社会進出したときの問題/AIによる将棋の研究/創造性・人間らしさの獲得への道/強いAIは将棋を楽しめるのか?/人間のパートナーとしてのAI
脳・身体知から自動運転まで 124
話し手・我妻広明
脳科学と工学の融合/道具を使うサルと考えるAI/記号接地問題/記憶を扱うことの難しさ/海馬と認知地図/海馬では時間は圧縮されて記憶される/背景の概念/AIの苦手な気づき/物理的な拘束条件と身体知/工学とAIの融合/自動運転に必要なもの/セマンティック情報の活躍/運転にかかわる拘束条件とオントロジー/AIが公道を自動運転する日
全脳アーキテクチャ ――汎用人工知能の実現 157
話し手・山川宏
認知アーキテクチャから汎用人工知能へ/汎用性を実現するアプローチ/再利用しやすい知識を機械学習で獲得する/すでに汎用性を実現している脳に学ぶ/大脳新皮質、大脳基底核、海馬、小脳の機能/感情、情動は再現が難しい/NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ/人工知能の意識/人工知能が持つ自律性
大人のAI・子どものAI 190
話し手・栗原聡
大人のAI・子どものAI/ディープラーニングは子どものAIとなるか?/AIが持つ感情意思と汎用性/メタ思考を持つ脳と弱いAIの違い/身体性によって生まれる知能/シンギュラリティと強いAIがつくる未来/群知能とSFの世界/今後のAI技術の発展性
いまAIとは何か 219
話し手・中島秀之
アインシュタインからAIへ/伝説のAI勉強会AIUEO /AI意識は宿るか?(中国語の部屋と足し算の部屋/哲学的ゾンビは人かゾンビか/分析的な学問と構成的な学問/メタ推論と強いAI/マルチエージェントなシステムで強いAI/「何でもあり」な自由意志の存在/環境に応じて勝つエージェントが決まる/夢の量子コンピューター/ソサエティ5.0/2022年グーグルが消える?
あとがき [252-257]
索引 [259-260] -
【電子ブックへのリンク先】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000049020
※学外から利用する場合は、以下のアドレスからご覧ください。(要ログイン)
https://www.lib.hokudai.ac.jp/remote-access/?url=https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000049020 -
数式的な専門書ではなく、各業界のAIに対する「感触」をインタビュー形式で記載されているので、「雰囲気」をつかむにはとても面白く読めました。
「強いAI」「弱いAI」に対する評価も人それぞれという印象でしたし、専門家でも意見がわかれるところも面白かったです。