- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621305010
作品紹介・あらすじ
EBMの大家 2人の賢者が語る「高齢者医療トピック」
「高血圧は危険だ(心配)」
「140mmHgは高血圧だ(どうにかしたい)」
「血圧は下げるべきだ(下げたい)」
これらの個々の患者が述べる希望や医者が示す治療指針も
「個別性」の話というより,移ろいゆく世の中の
ごく一般的な平均値に過ぎないかもしれません
全ての物事が曖昧な中で決まっていく.「適当に」どうにか収まっていくとしたら
そこにあるのは「関係性」であって
「血圧は測らなくてもいいし」
「血圧は下げなくてもいい」
「もちろん測ってもいいし」
「降圧薬飲んでもいいし」
「どちらでもいい」
という捉え方も「有り」でしょう
高血圧マネジメントだけでなく,安楽死,ACP,意思決定の在り方など
今医師は,どういう臨床を提供すべきなのか…
今読んでおくべき,アンチな教科書としての「誇り」が,この本にはありますー
感想・レビュー・書評
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2階書架 : WG340/NAG : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410165734
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専門的な部分も当然あるけど、一般的な読書に十分耐える内容。さすが名郷先生。高血圧のみならず、ほぼあらゆる疾病に拡大解釈できる理論。岩田先生も触れている通り、具体的薬物などの各論的部分がほとんど無く、そもそも疾病とは、治療とは、っていう、根底的な問いかけに終始している印象。どこぞのガンのセンセイみたく、薄弱な論拠を基に無治療を勧めている訳でなく、十分にEBMを咀嚼した上での、現時点での結論だけに、説得力が違う。画一的に”とりあえず治療”って風潮に対する違和感が、本書によって払拭される爽快感。以前から、その著書に触れる度に感じていたことだけど、今回も存分に味わわせて頂きました。