一般言語学

  • みすず書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622019701

作品紹介・あらすじ

本書は、人類学者・言語学者会議で講演された現代言語学の状況に関するみごとな分析と展望にはじまり、失語症の問題、音韻論、詩学、通信工学、さらに言語学と隣接諸科学との関連など、広範な領域をカヴァーする秀れて代表的な論文からなっている。この多様な知的業績に一貫している基調は、言語を「孤立化に対する戦い、孤立化の征服」として考察するヒューマニスティックな姿勢であり、境界領域へ積極的にふみこんでいく開かれた精神である。人間文化を探求するにさいして言語学の占める地位がますます重くなった現在、細心に編集されたこれらの論考は、教授の全体を望見させる一方、もっとも卓出した現代言語学入門ともなっている。

感想・レビュー・書評

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  • 細かい内容については自分には専門的すぎて難しかった。社会科学や文化人類学との出会いもあるが、ヤコブソンはかなり自然科学や通信理論といった理系的な考え方を意識していたことが印象深い。

  • 言語学はまったくわからない領域で、かなり緻密に理論化が進んだこの分野に、さほど強い興味を持ってもいない。しかしヤーコブソンに興味があったのは、「構造主義」が、レヴィ=ストロースと彼との「出会い」の中から、まさに誕生したのだと思われるからだ。
    実際に読んでみると、なるほど専門的でわかりづらい。が、考え方が確かに、レヴィ=ストロースの構造人類学と結びつくところがあり、この音韻論や文法の研究がいかに「現代思想」に影響したかを体感することが出来た。
    しかもヤーコブソンは常にノーバート・ウィーナーらの通信理論(サイバネティックス)、ニールス・ボーアなどの量子力学を参照しており、20世紀の知の大きなうねりが、確かにここに渦巻いていると感じ、圧倒された。

    言語学入門などをもうちょっと読んでから、再読したい本。

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著者プロフィール

1896-1982。モスクワに生れる。ラザレフ東洋語学院、モスクワ大学大学院を卒業。1915年モスクワ言語学集団を創設。1920年チェコスロヴァキアに移り、マサリック大学においてロシア語学などを講ずる。1926年プラーグ言語学集団の創設に参加し、トゥルベツコイを援けて活躍。1939年ナチスの侵入にあって、デンマークとスウェーデンに2年間滞在し、それからアメリカへ移る。1942-46年ニューヨークのÉcole Libre des Hautes Étudesで教鞭をとり、その間にレヴィ=ストロースと相知る。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の教授を兼任。両大学名誉教授。業績は多方面にわたるが、その集成としてSelected Writings of Roman Jokobson (The Hague: Mouton,1962-2013)がある。邦訳は、『音声分析序説』(1965、研究社)『一般言語学』(1973、みすず書房)『音と意味についての六章』(1977、みすず書房)など多数。

「2019年 『一般言語学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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