発明

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622039525

作品紹介・あらすじ

アイディアを生み育てるに最良の環境とは。歴史と現代アメリカの事例に観察し、90年代科学技術社会のディレンマも予見した。天才数学者ウィーナーの遺稿。

感想・レビュー・書評

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  • 教員からのコメント:少なくとも、研究の新しいアイデアが欲しい、博士課程に進学したい、という学生さんに通読してもらえれば、得るところが多いだろう。例えば、背景の異なる人達と交流することの大切さや『心がけ・姿勢』などだ。色々な対立軸やトピックがあるので、どこかしら読者の参考になる部分が抽出できる本である。
    フリーソフトウエアやオープンソースの概念を先取りしたような、知識やアイデアは誰のものかという根源的な問いかけもある。また、11章の『目標と問題』は教職員にとっても有用だろう。3章の独創的なアイデアに好都合な環境と不都合な環境はなかなか面白い。『複数の学科の間の交雑受精』『我々の学校は、従順さを越える何かを教えねばならず、よく均整のとれた人形になる以上のことを要求せねばならない』というのは、日本の高校と大学ないし大学院との大きな違いに対応していると感じられる。また8章で、『一つのアイデアを、それが実体の無いものであるか不正確なものであることが徹底的に確かめられるまでは愛し続けるようにならせる修練』などというのも、なかなか含蓄が深い。

  • 1993

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著者プロフィール

1894-1964。ポーランドに生れ、アメリカに渡ったユダヤ人の言語学者レオ・ウィーナーの長子として生れた。天才肌の父のもとで知能早熟児として出発した彼は、9歳でハイスクールに特別入学し14歳でハーヴァード大学に入学、18歳で数理論理学の論文で学位をとる。まもなくイギリスに渡りケンブリッジ大学でバートランド・ラッセルから数理哲学を学び、ついでゲッチンゲン大学にも学び、帰米して1919年マサチューセッツ工科大学講師、34年以後同大学の数学教授。30年頃から神経生理学者と共同研究に従事し、計算機械も生物における神経系も同じ構造をもつことを認め、その数学的理論としてのサイバネティックスを創始する。1948年『サイバネティックス』(邦訳、岩波書店、1958)を著わして生物学、工学、社会学等広汎な分野に関連し、著者の視野の広さと鋭さを示す。著書はほかに『サイバネティックスはいかにして生まれたか』(1956)『科学と神』(1965)『人間機械論』(第2版、1979)『神童から俗人へ』(1983)『発明』(1994、以上みすず書房)などがある。

「2020年 『発明 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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