冗談

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622045533

作品紹介・あらすじ

すべてはから始まった…。男と女の悲喜劇を主奏に織り成される長大なロンド。中央ヨーロッパが生んだ20世紀文学の傑作、クンデラ文学の頂点。

感想・レビュー・書評

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  • 今年はチェコ文化年らしい。この前プラハ交響楽団の「わが祖国」を聴き、近いうちにミュシャ展を観に行こうと思っていて、せっかくなので文学も読んでみようと思った。
    著者まえがきに、小説を理解するにはチェコの歴史を知っている必要があるか?という問いに対し、小説自体がそれを語っていると答えたとある。が、やはり歴史や文化についてある程度の知識があった方がより楽しめると思う。
    著者はラブストーリーだと言い切っているけれど、私には読んでいて恋愛が主軸だとは思えなかった。この世は良いことも悪いことも真面目なこともくだらないことも、すべては冗談で構成されているのだと、作品全体で語っているような。
    歴史とか文化とか、理屈っぽく語ったところで所詮は人間が偶然作り上げたもの。形骸化した伝統文化とか、日本人にとっても耳の痛いテーマではなかろうか。変わらないものなどないのだし、肩ひじ張らず自由に表現する人がいてもいいと思う。
    ストーリー自体には特に感想はない。読んでいると技巧にこだわりすぎているような気もする。小説家というよりは芸術家という印象。
    フラバルの『私は英国王に給仕した』も読んでみたい。

  • クンデラは大昔に『存在の~』を読んでいるはずなのに何も覚えていない。面白かったかつまんなかったかすら記憶にない。読書家方々の高評価と照合して、自分とは相性の悪い作家なのだろうと避けてきた。けれど気が向いたので読んでみたらえらい面白かった。人間の愚かさを笑いながら大きく包み込む著者の人間への愛情はヴォネガットと相通じるものを感じた。失ったものを取り戻すことはできない。忘却するしかないのだとしたら、最後まで悲しく鳴り響く音楽に、鎮魂歌でもいい、せめて名残りを惜しみながら包まれていたい。ぐっとくるラストだった。


    どうして今まで避けてきたのかと惜しまれる面白さだったけれど、好きかどうかは女性の(ああなんと惨めで可哀想なヘレナ!)扱いがあまりに酷かったので保留。

  • 4/17読了

  • 最近クンデラさんの作品によく出くわす。ので読んでみた。しかし200何ページかのところで図書館の返却期限が来たので読み終えることができず。これだから図書館は‥。

  • 2010/9/13購入

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著者プロフィール

1929年、チェコ生まれ。「プラハの春」以降、国内で発禁となり、75年フランスに亡命。主な著書に『冗談』『笑いと忘却の書』『不滅』他。

「2020年 『邂逅 クンデラ文学・芸術論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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