E.M.フォースター著作集 2

  • みすず書房
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本棚登録 : 33
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622045724

作品紹介・あらすじ

若いルーシーとジョージの対立と結婚を軽妙な筆致で描き、人間の自由を問う佳品。

感想・レビュー・書評

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  • フィレンツェと英国を満喫できる幸せな恋愛小説。フォースターの中では最も親しみやすいけれど、文体は彼特有の歯応えがあり、込められたメッセージは力強い。

    上層中産階級の令嬢ルーシーが、英国の階級意識という強固な固定観念や偏見を乗り越えて真実の愛を受け入れるというのが大きな筋。類型的な物語や人物設定が、緻密な細部の書き込みでみるみる精彩を放つ。読んでいて幾度もジェーン・オースティンを連想した。ホニーチャーチ夫人、フレディ、老エマソン氏、ビーブ牧師ら脇役は他のフォースター作品に比べてもいっそう魅力的。

    フィレンツェの町並みもフィエゾレの菫畑も、ホニーチャーチ家の住むサマー・ストリートの閑静な佇まいも読みながらうっとりしてしまうのだけれど、フォースターの批判精神を思えばそれに耽溺してはならないのだ。でも何度読んでも至福。いちばん好きなのはフレディとジョージとビーブ牧師の水浴びの場面。こんなにほほえましくて、幸福感に満ちて、生の喜びが溢れている光景があるだろうか。

    映画はこれ以上望めないほど原作に忠実で、しかも完成度が高い。映画があるおかげでさらに小説が楽しくなる。それでもやっぱり、フォースターの文から立ち上がってくるイメージは、映画よりもっと味わい深く、心に沁み入る。

  • フィレンツェ、イタリアなどを舞台とした作品です。

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