- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622073697
作品紹介・あらすじ
スピンの概念は紆余曲折の末に理論的に焦点を結び、相対論化され、量子力学の射程を大きく伸ばした。それは荷電スピンの概念につながり、人知が原子核の内側へ踏み込むことを可能にしたのである。その過程で、「アクロバットのよう」なディラックの思考、つぎつぎと問題の鍵を見いだす「パウリの正攻法」、現象論的な類推から本質に辿り着く「ハイゼンベルク一流の類推法」など、さまざまな個性の頭脳が自然の謎と格闘する。本書はそんな「興奮の時代」と呼ばれた量子力学の成熟過程を、近体験する旅である。
感想・レビュー・書評
-
朝永の量子力学の四冊目として読んだ。
本書は口語調の語りが優しい。内容は難しいが。
実験と引き比べながら、どれほどの理論的模索、苦闘を経て、スピンやスピノル、パウリの排他原理は、構築されてきたか。その軌跡が丁寧に描かれ、理論物理のこころに触れられる。
数学的にも、物理的にも、いわゆる教科書からははみ出るような記述が多く見られる。嬉しい限りだ。
電磁気、多粒子系、ディラック方程式の知識があると、数式もフォローできて、より理解が深まるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
湯川秀樹の<中間子論>、朝永振一郎の<繰り込み理論>、福井謙一の<フロンティア電子論>などの日本人ノーベル賞受賞者の業績は、聞き慣れない言葉の響きと相まって、中学生の自分を大いに魅了した。そしてそれらが数学を駆使した理論であるという事実もかなり刺激的だった。 30+α年経った今でも、あの頃の純粋な気持ちを忘れることなく折に触れて読む本の一つが本書である。 スピンといものが様々な分子や化合物の存在を既定する。コンピュータも発達していない時代に、そのことを突き止めていく天才・秀才たちの苦闘の物語である。
-
これからよもう。
スピンとは何だろうか。 -
【配置場所】特集コーナー【請求記号】421.3||T 【資料ID】10802313
-
難しい...
-
名著.