戦後史の中の英語と私

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 76
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077565

作品紹介・あらすじ

同時通訳者として華々しいキャリアを持ち、現在は英語教育の最前線で活躍する著者の自伝的エッセイ。これまでの仕事、多彩な活動について往時を回想し、その舞台裏が明かされる。初めて語られるエピソードの数々――チャレンジ精神、教育現場での葛藤、決意の瞬間など、強く引きつけられる。専門の職業世界で苦闘する生き方が若い読者に響くだろう。新たな専門性の切り拓き方など、その挑戦意志や方法が説得力に富む。生い立ちから現在までをたどった書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 人生とは何だろう。私なら私はこのグローバリゼーションの時代/世紀をまさに生きているのだけれど、それは選んだことではなく所与のものとして存在していた。そうした「あらかじめ定められた条件」の元でベストを尽くすことが人が生きる意味そのものなのかもしれない。著者によるこの自伝的書物はそんな「人間万事塞翁が馬」な摂理を教えてくれると同時に、その中で学び続けることの大事さについても説いてくれる。まだ海の物とも山の物ともつかぬ「同時通訳」の仕事の失敗談の生々しさも読みどころありで、思わぬ拾い物だと本書を楽しく読み終えた

  • 2013年書下ろし。
    プロローグに続き10章、エピローグ、あとがきからなる。各章は、英語との出会い、1960年代とアメリカ、アポロ宇宙中継と大阪万博そして沖縄返還、偶然の積み重ね 通訳から大学英語教育という世界へ、通訳者という存在、教育そして教師というもの、生涯学習を実践する、メディア英語講座と私、言葉へのこだわり、思い込みからの脱却。

    子供のころ目にした、かわいくて優れた同時通訳の女性の印象はいまでも心に残っている。最近も見かける鳥飼の、テレビで見るその通りの明るく率直な語り口の自分史。

    西山千、國弘正雄などの名も懐かしいし、彼らのインタビューや思いで話も興味深い。
    常に前向きな姿勢で、読んで元気になると同時に、学び続ける姿に努力することの大切さを感じる。

  • 東洋英和女学院大学 カナダ メソジスト

    TOEIC 日本のビジネス英語団体が米国のテスト機関に作成を委託

  • 170311 中央図書館
    終戦頃からの著者の成長履歴自叙伝。英語で生きてきた故か、母が帰国子女でありその感性を引き継いだためか、日本のカルチャーに対する苦言が目につく。

  • 資料ID:21401189
    請求記号:289.1||T
    配架場所:普通図書室

  • 鳥飼玖美子『戦後史の中の英語と私』みすず書房、読了。本書は同時通訳の嚆矢となる著者の自叙伝。人気通訳者から英語教育者へ--。戦後日本の歩みは英語を介した世界との繋がりだからその道筋は時代の軌跡だ。少女時代や翻訳の工夫などエピソードも豊富。英語で何かと考える形には手にとって欲しい。

  • 立教大学とNHKの先生

  • 岩波ブックセンター信山社/書物復権の会 フェアとトークイベントのお知らせ

    東京・神保町の岩波ブックセンター信山社と〈書物復権〉9社の会との共催で、連続ブックフェアとトークイベントを2013年3月から8月にかけて開催します。岩波書店創業100年を記念して、書店としていつまでも「大事に売っていきたい本」を、月ごとのテーマで全6回連続展示。3月は「古典再読」をテーマに、長い書物の歴史のなかで今日まで生きつづける、ガイドブックではない古典そのものの輝きにふれるフェアです。
    http://www.i-bookcenter.com/bookfair.html

    つづいて4月のフェアは、テーマ「現代史はここから始まる」。4月のトークイベントは、鳥飼玖美子・立教大学特任教授を講師に迎え、「通訳現場から英語教育へ――通訳の実際から更なる高みに向けた試行錯誤の世界へ」が4月24日(水)、岩波セミナールーム(岩波書店アネックス3階)で18時半開演です(開場18時)。入場無料、定員50名(要電話予約)。お問い合わせ・事前申し込みは岩波ブックセンター信山社(電話03-3263-6601)へどうぞ。
    新著『戦後史の中の英語と私』は、みすず書房より4月10日刊行予定です。まさしく書名のとおりに、アポロ月面着陸の宇宙中継をはじめ同時通訳の草分け、「百万人の英語」をはじめ人気の英語教育番組、そして後年の通訳学・翻訳学の樹立、と八面六臂の活躍をつづける著者が、生い立ちから現在にいたる歩みをたどる書き下ろし。挑戦への意志、現場での葛藤、決意の瞬間、初めて明かされるエピソードの数々。ご期待下さい。

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著者プロフィール

立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授(研究科委員長2002-2005、2008-2010)を経て立教大学特任教授、立教・異文化コミュニケーション学会(RICS)会長(2009-2011)。著書『通訳者と戦後日米外交』(みすず書房2007)(単著)Voices of the Invisible Presence: Diplomatic Interpreters in Post-World War II Japan(John Benjamins, 2009)(単著)『通訳者たちの見た戦後史――月面着陸から大学入試まで』(新潮社2021)(単著)。

「2021年 『異文化コミュニケーション学への招待【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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