破滅者

  • みすず書房
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本棚登録 : 68
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088462

作品紹介・あらすじ

代表作『消去』の数年前に書かれた『ヴィトゲンシュタインの甥』と『破滅者』(1990年代初めに音楽之友社刊)を一冊にして新たに刊行。『破滅者』はグレン・グールドを主要登場人物にしたもの、『甥』は、おじのルートヴィヒともども数奇な生涯を生きたウィトゲンシュタイン家の最後の人を描く。音楽小説であり、著者の真骨頂をしるす抱腹絶倒の書。

感想・レビュー・書評

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  • 実在の人物をモチーフにした中編2本が1冊に。
    ここに描かれている人物は、共に、確かに現実に生きていた……筈なのだが、現実味というものが全く無いのは何故だろう。作中で『生きて』いるような気がしないのだ。そして、この場合、作中で『生きて』しまっては失敗になってしまうように思えてならない。不思議な中編だった。

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著者プロフィール

Thomas Bernhard, 1931-1989
20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。
少年時代に、無名の作家であった祖父から決定的感化を受ける。音楽と演劇学を修めつつ創作をはじめ、1963年に発表した『凍』によってオーストリア国家賞を受賞。一躍文名を高める一方で、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。
以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。1988年に初演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
1975年に発表された『原因』のあと、『地下』、本書『息』、『寒さ』、『ある子供』が続けて刊行され、自伝的五部作をなした。1989年、58歳で病死。

「2023年 『息 一つの決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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