- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622089506
作品紹介・あらすじ
黒い皮膚への偏見に身を貫かれた自らの体験から、黒人と白人の関係を理解する試みがはじまった。皮膚の色に閉じこめられた人間の意識を、鮮やかに抽出する。
精神科医、同時にフランス領マルチニック島に生まれたひとりの黒人として、ファノンは最初の著作である本書で、植民地出身の黒人が白人社会で出会う現実と心理を、精神分析学的なアプローチを含め、さまざまな側面からえぐり出してみせた。
他からの疎外があるとき、内面においても自己を疎外する黒人に向けて、そこからの解放を訴えたファノンの言葉は、彼自身の生を出発点として実践のただ中から発せられたものであるゆえに、読む者の心に迫る。
感想・レビュー・書評
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難しかった。しかし、人種差別、特にアフリカ系への人種差別について考えるには必須の本だろう。おそらくほとんどの黒人と言われる人たちがどのような葛藤を経て、克服しているのか(またはできずに苦しんでいるのか)を克明に記している。この歴史も知らずして、人種差別主義者ではないとは言いにくい。知らないことで許されるものではないのは、全ての差別について言えることでもある。
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白人、西洋人、ハーフへの憧れ、英語を話せるようにならねばならぬことが当たり前になっていること、海外の人たちの中で感じる劣等感、そういうものも通じている気がして読んでみたい。
読了。これは理解するというより考え続ける、まさにファノンのように問い続けるものだろうとおもう。日記のようにその時の自分の思いを表している。決まった答えでなくて良いのかもしれない、それで。
アドラーを、この視点で読んだことはなかった。
過去の奴隷になる権利も義務も持たないと書く気持ち。27歳で!
彼が今も生きていたら、どういうことを語るだろう。
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黒人のことなんだけれど、女性のことを始め、あらゆる差別問題に通ずる。
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文化的強制と肌の乳白化によって自己アイデンティティを否定し白い仮面を被る黒人。「私は白人文化で育った黒人だ。アフリカの黒人とは違う」と無意識に思っていたことに気づいた瞬間、自分の中の常識が崩れ、自分はただの劣等感の塊、醜いコンプレックスの塊であることを知る。
人間味溢れるファノンの力強い文章。白人が…黒人が…ではなく、社会が、そして人間が、自己の自由を否定しない世界になることを訴えた名著。
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いわゆる精神医学を用いて白人の黒人に対する意識を抉り出した本。
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白人から黒人への差別について書かれていて、難しかったけど、漠然と重くて強い感情は感じた気がする。でも僕は黒人と日本人とのハーフだけど、そのことをあまり意識せずに生活出来てるのは、周りにいてくれる人達のおかげかもしれないな。
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#英語 Black Skin, White Masks by Frantz Omar Fanon
#100分de名著 を見ながら #読書
難解でした
海老坂武さんによる「フランツ・ファノン」(人類の知的遺産78巻 )も読んでみたい -
100分de名著で紹介され、なかなか読めずにいた本。黒人であること、植民地の出身であること。正直、現代の日本にいる私には想像することも難しい状況。だが、読んでいるとその複雑さの理解はできる。アメリカの黒人とは明らかに違うということも理解できる。ただ戦うということでは解決しない。植民地の恐ろしさ、怖さはそこにあるのではないかと思った。