つきあい方の科学:バクテリアから国際関係まで (Minerva21世紀ライブラリー 45)

  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623029235

作品紹介・あらすじ

日常の人間関係を捉えるユニークな視点。人間社会、あるいは生物界に見られる多くの「つきあい」には、いろいろな利害対立がある。本書は、その中で「協調か裏切りか」というジレンマ状況を、ゲーム理論をとり入れた進化生物学の視点から解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ゲーム理論における有名な「囚人のジレンマ」に絡めて、実社会においての協調・裏切りの選択にアドバイスを与えてくれる一冊。

    それぞれの結論には科学的根拠も付録されており、読み応えがありつつ文体は意外と読みやすく工夫されている。

    ゲーム理論のプログラム選手権で普遍の強さを誇った「しっぺ返し」プログラム(最初は協調し、それ以降は相手の行動と同じ行動をとる)の強さを分析し、意思決定をいくつかの要素に分解している。
    長期的な関係が見込める場合は、互恵主義に基づき互いに協調し両方とも得をするのが最善であるが、あらゆる状況に対応できる唯一解は存在しない。
    以下重要。
    ・相手の裏切りに対し、即座に反撃を表すこと
    ・協調を引き出すこと
    ・長期的な関係が続く相手かどうか見極めること

  • 囚人のジレンマについての解説。
    目の前の相手より高い得点を上げる必要はない(目先の相手を羨まない)。
    相手が裏切らない限り、こちらも裏切らないという互恵主義。
    報復は限定的なものにとどめる。

    第一次世界大戦中の塹壕戦でも囚人のジレンマに基づく協調が生まれていたというのは面白い。
    また、協調関係という点について、血縁選択説ないしドーキンスの遺伝子選択説を側面的に説明できるのも興味深い。

  • 開始:2022/11/9
    終了:2022/11/16

    感想
    目の前の相手を打ち負かさずともうまくやれる。時間的或いは空間的に少し視野を広げるだけで今よりもうまくやれる。協調は最大の武器となる。

  • 有名な囚人のジレンマの汎用性の高さが再確認できる内容でした。

    1目先の相手を羨まないこと
    2自分の方から先に裏切らないこと
    3相手の出方が協調であれ裏切りであれ、その通り相手にお返しをすること
    4策におぼれないこと

    相手よりいい成績を望まない
    上品さ、怒れること、心の広さ、単純明快さ

  • ・私には冒頭から引き込まれなかった。
    ・将来の長期的関係を前提に、しっぺ返し、互恵主義、マッチャーをお勧めする。

  • ふむ

  • すでに十分古典ですが、この手の話題に興味のある人にとっては、一度は読んでおく必要がある必読の書の1つであることは間違いないでしょう。とはいえ、その後の研究動向を知らないと、TFTを過度に評価してしまうので、その点は注意が必要です。このあたりのことも含めて、その後を分かりやすくサーベイした書籍が早く出るといいのですが…。

  • 【書誌情報】
    原題:The Evolution of Cooperation(1984)
    著者:Robert M. Axelrod(1943-)
    訳者:松田 裕之 (1957-)
    シリーズ名:Minerva21世紀ライブラリー ; 45
    ジャンル 社会
    出版年月日 1998年05月20日
    ISBN 9784623029235
    判型・ページ数:4-6・272ページ
    定価 定価2,860円(本体2,600円+税)
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b47467.html

    【簡易目次】
    はじめに

     I 序論
    1 協調関係の諸問題

     II 協調関係の出現
    2 『しっぺ返し』の成功
    3 協調への道筋

     III 親交も先行きの見通しもない協調関係
    4 殺しも殺されもしない戦争
    5 生物における協調関係の進化

     IV 当事者と調停者へのアドバイス
    6 効果的な選択とは
    7 協調関係を育てるために

     Ⅴ 結論
    8 協調関係と社会構造
    9 互恵主義のたくましさ

    訳者あとがき
    新装版にあたって
    本文原注および訳注
    付録B・理論的諸命題の証明
    付録A・選手権の結果
    参考文献
    索引

  • どうすれば協調関係を築けるのか、ゲーム理論、くり返しゲーム理論に則って科学的に解説した本で読んでいて腑に落ちて心地よい。
    第一次世界大戦の塹壕戦で、敵同士なのに協調関係が一時的に生まれて、撃ち合わない状態が続いたこと、生物の進化もゲーム理論で説明できる点が面白かった。

    長期的な協調関係を築くには「しっぺ返し(Tit-for-Tat)」をする。
    相手に対して自分の行動を予測可能にでき、信頼を生むことができるから。

  • 難しかった

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