松居直と『こどものとも』: 創刊号から149号まで (シリーズ・松居直の世界) (シリーズ・松居直の世界 2)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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本棚登録 : 73
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623064816

感想・レビュー・書評

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  • やはりこの人は、日本一の編集者だと思う。才能を発掘し育て世に出す力、ギリギリのところを冒険しながら絵本というジャンルを今の当たり前にあるところまで開拓した人。

  • p417 あとがき
    エレン・ケイの記述あり

    よく教育された人間を見たことがない
    模倣は決してしないように助言しなければならないいまの学校ではどんな結果をうんでいるであろうか
    いまの「利己的てわ思いやりのない」青少年に驚きの目をみはっている

    『こどものとも』を企画し、創刊した意図の中には、エレン・ケイの鋭い指摘に触発された、目に見えぬ力がありました

    子どもの心を、豊かで強く、やさしく鋭くしっかりと育てるのに根本的に大切なことは、家庭での親と子の心のつながりを豊かにし、心のこもった愛のことばが、日常の生活のなかで生き生きと交わされることだと思います。それには親が自らの口を通して、気持ちのこもった愛の感じられる声とことばで話しかけることが子どもの心を育てる力となると、自らの子育ての体験を通して痛感しました。

  • もう一度この本を読んでから「こどものとも」を読み返したいな。一つ一つのエピソードが素晴らしいが、絵本化されてから読んだものも多く、記憶が曖昧。
    横長の絵本が当たり前の気がしていたが、この本のおかげだったのね。
    この本は本当に素晴らしかった‼

  • 2013.8.26市立図書館
    こどものとも創刊号『ビップとちょうちょう』(1956年)から149号『だるまちゃんとかみなりちゃん』(1968年)まで、自ら編集者として関わった作品についての試行錯誤の記録。
    一冊一冊のあらすじ、著者略歴や単行本化の有無など基本情報に加え、編集時の思い出や裏話などをまとめた本。無名の作家をデビューさせ二作目、三作目と成長させていく視点、編集者の目からみた文章や絵の魅力など、「こどものとも」がはたしてきた役割を感じとることができる。編者として納得のいかなかった作品、思うように読者に受け入れられなかった作品についても、冷静であたたかい分析をしているし、営業面からの力の入れ具合まで正直に語られている。
    時間がなくてざっとしか読み通せなかったけれど、おもしろかった。なにより松居御大の「乗り物愛」があふれているあたりが、ひとつの読みどころ。世の乗り物絵本好きは松居さんに足を向けて寝られないと思う。

    2022.11.13市立図書館(再)
    松居直さんの訃報を聞き、改めて読み返すために借りた。自身が編集者として直接関わった「こどものとも」創刊号から149号まで一冊一冊のあらすじと寸評(時代背景や作家についてのエピソード、福音館書店の舞台裏なども含む)が読めるのがほんとうにおもしろい。画家や作家の人柄と仕事ぶり、編集者の腹の中など、ここ以外ではなかなか記録も残っていないであろうこまごました事実や情報もあり、この聞き取りをして本にまとめた意義は大きいと思う。この本の解説を傍に一冊一冊読んでみたくなる。

    それにしても、創刊号から11号に産経児童出版文化賞がおくられたことでほとんど休刊に向かいかけていたマインドをリセットできたのは本当に運のよいことだったと思う。
    横版横書きになり、場面数も増やしてスタイルが完成しのりにのった1962年あたりの本(おおきなかぶ、だいくとおにろく、かばくん、ぐりとぐら、たろうのおでかけ、づしぎなたけのこ、じぷた…)が続々還暦を迎えるなかで松居さんはなにを思いながら旅立ったのだろう…

  • ふむ

  • 181206*読了
    松居直さんが編集に携わられた、こどものとも1号から149号までの一冊ずつのエピソード。いやー、これは貴重。
    幼少期によく読んだ絵本が基を辿れば、この頃に刊行されたこどものとものお話だったと知って、あ、これも!この本も!と、懐かしさと嬉しさがこみあげました。
    名だたる名絵本作家さんが初めて絵本を描いたのが、月刊こどものともだった、なんてことも多くて、松居直さんの偉大さたるや…。
    神様から使命を与えられて生まれてきた人だなぁと思います。
    大変長生きでいらっしゃるので、わたしの子どもにもその恩恵がまだまだ享受されるよう、どうかお元気でいてほしい…。
    日本が誇る偉大な編集者であり、絵本の神様だと思います。

  • こどものともバックナンバーを編集者である松居氏が誕生のいきさつや当時の絵本界の様子などを交え語る。
    戦後の日本児童書をリードしてきた松居さんの貴重な記録

  • 請求記号・019.5/Ma
    資料ID・100060317

  • 福音館書店の現相談役、松居直氏の著書。
    絵本の編集の面白さ難しさが、伝わってくる一冊でした。

  • 此れは貴重!

    【書評】物語絵本創作の秘密を見せる 『シリーズ・松居直の世界(2)』松居直著 - MSN産経ニュース
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/130817/bks13081711070005-n1.htm

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    「『ビップとちょうちょう』にはじまり『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』など数々のロングセラー絵本の出発点となった福音館書店の月刊物語絵本『こどものとも』。
    「編集職人」松居直自身が手がけたその創刊号から149号までの制作過程を鮮やかに描き出す。

    子どもの心を、豊かで強く、やさしく鋭くしっかりと育てるのに根本的に大切なことは、家庭での親と子の心の
    つながりを豊かにし、心のこもった愛のことばが、日常生活のなかで生き生きと交わされることだと思います。    (「あとがきにかえて」より)

    [ここがポイント]
    ○創刊号から149号までの表紙画像を掲載
    ○各号のあらすじ・作家の略歴や索引等の資料も充実
    ○ヒット絵本の編集にまつわる数々の興味深いエピソード」

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著者プロフィール

松居 直(まつい・ただし):1926-2022年。京都生まれ。同志社大学卒業とともに福音館書店に入社。絵本の出版・編集に従事し、1956年に「こどものとも」を創刊。石井桃子、瀬田貞二、松岡享子などと交流を深めるとともに、加古里子、赤羽末吉、堀内誠一、長新太、瀬川康男、安野光雅、中川李枝子ら多くの絵本作家を発掘。『おおきなかぶ』『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』など、今なお愛される絵本が生まれた。自身も絵本の文や再話を手がけ、海外の優れた絵本も紹介。日本の絵本文化の発展に大きく貢献した。1993年出版界で初めてモービル児童文化賞を受賞。1996年日本児童文芸家協会より「児童文化功労者」の表彰を受ける。著書に『私のことば体験』(福音館書店)、『絵本は心のへその緒』(ブックスタート)、『松居直のすすめる50の絵本』(教文館)など多数。

「2023年 『絵本とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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