生命パラダイムから歴史と芸術を読む:行為と表現の世界 (小林道憲〈生命の哲学〉コレクション)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623077281

作品紹介・あらすじ

偶然に翻弄され、創造と破壊を繰り返しながら激変する歴史、渦中を生きる人間の創造的行為によって切り開かれていく歴史、歴史は生きものである。歴史の中に非決定性と不可逆性、予測不可能性と不確実性をみる歴史哲学。人はなぜ芸術するのか、人間にとって芸術とは何か、芸術作品を成り立たせているコスモロジーを問題にし、芸術の本質を〈生命の表現〉にみる芸術哲学。生命パラダイムから解く歴史論と芸術論。

感想・レビュー・書評

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  • 小林道憲『〈生命(いのち)の哲学〉コレクション』全10巻刊行のお知らせ :: 比較文明学会
    http://www.jscsc.gr.jp/article.do?a=79839076866550985

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    偶然に翻弄され、創造と破壊を繰り返しながら激変する歴史、渦中を生きる人間の創造的行為によって切り開かれていく歴史、歴史は生きものである。歴史の中に非決定性と不可逆性、予測不可能性と不確実性をみる歴史哲学。人はなぜ芸術するのか、人間にとって芸術とは何か、芸術作品を成り立たせているコスモロジーを問題にし、芸術の本質を〈生命の表現〉にみる芸術哲学。生命パラダイムから解く歴史論と芸術論。
    [ここがポイント]
    ◎ 新たな見方を提示する歴史哲学
    ◎ 芸術の根源を探る芸術哲学
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b251255.html

  • 『歴史哲学への招待』(2013年、ミネルヴァ書房)と『芸術学事始め』(2015年、中公叢書)のほか、2編の論文を収録しています。

    『歴史哲学への招待』は、著者自身の立場から歴史哲学の基本問題がわかりやすいことばで論じられています。著者は、歴史の叙述における解釈学的循環の問題について解説するとともに、歴史のなかに生きるわれわれ自身が、みずからの置かれている歴史的状況を解釈し行為することで、新たに歴史をつくりあげていくと論じています。このことから、システム論的なことばを用いるならば、われわれの観測は内部観測であり、行為は内部行為であることから、自己観測系として歴史の動態がとらえられなければならないと著者は主張します。

    『芸術学事始め』は、生命論的な立場から芸術の見方が論じられています。著者は、原始時代の人類が遺した遺物や、わが国の縄文時代につくられた土偶や土器、さらに能や人形浄瑠璃といったわが国の古典芸能をとりあげ、芸術が宗教的な起源をもっていると主張します。また、「見ること」と「作ること」の連続性を主張したフィードラーや西田幾多郎らの芸術論が参照されるとともに、ゴッホやセザンヌ、あるいは熊谷守一や田中一村といった芸術家の作品について考察をおこない、芸術家の創作活動を生命の自己表現としてとらえようとしています。さらに著者は、シュールレアリズムや現代アートについても言及し、それらが生命論的な意味における神と人間が乖離してしまった時代の芸術のありかたを示していると指摘しつつ、アクション・ペインティングなど偶然性をとりいれた芸術に、うしなわれた聖なるものへの祈りの意義を見いだそうとしています。

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著者プロフィール

小林道憲(こばやし・みちのり)
1944(昭和19)年 福井県生まれ。
1972(昭和47)年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、福井大学教育地域科学部教授、
麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授。
専攻は哲学・文明論。

主な著書
〈哲学研究〉
『ヘーゲル「精神現象学」の考察』『生命と宇宙』
『複雑系社会の倫理学』『宗教とはなにか』
『宗教をどう生きるか』『複雑系の哲学』
『生命の哲学—〈生きる〉とは何かということ』(人文書館)
〈現代文明論〉
『欲望の体制』『われわれにとって国家とは何か』
『近代主義を超えて』『20世紀を読む』
『二十世紀とは何であったか』
『不安な時代、そして文明の衰退』
『対論・文明のこころを問う』(共著)
〈比較文明論・日本研究〉
『古代探求』『古代日本海文明交流圏』
『文明の交流史観』等がある。

「2008年 『生命(いのち)の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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