古代日本人の生き方を探る:古代日本研究 (小林道憲〈生命の哲学〉コレクション)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623077342

作品紹介・あらすじ

われらの祖先は何を考え、何を感じ、何を畏れ、何を敬い、何を喜び、何を悲しんできたか。この世界をどのように見、人間の生や死をどのように捉え、自然に対してどのような感情を抱いてきたか。大地と生命の永遠を信じていた古代日本人の心象風景を叙述する日本古代文化史入門。さらに、〈文明の交流史観〉に立って、古代日本海を舞台にした歴史を叙述する古代日本文明史。

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  • 『古代探求―「記・紀」の世界と日本人の心』(1993年、NHKブックス)と『古代日本海文明交流圏』(2006年、ミネルヴァ書房)を加筆訂正したもののほか、それぞれの付論として2編の論考が収められています。

    『古代探求』は、『古事記』『日本書紀』の神話に基づいて、古代の日本人の生命観を解き明かそうとした本です。著者は、津田左右吉に始まる実証的研究や、松村武雄に代表される比較神話論的な研究の意義を認めながらも、よりストレートに、記紀神話が今日に伝える日本人の生命観・世界観に迫る道を求めています。ただ、本書のようなアプローチだと、あらかじめ日本的な生命観なるものが前提されてしまうのではないかという危惧を抱いてしまいます。そのような本質主義の問題に、著者が十分意識的であるとはいえないような気がします。

    『古代日本海文明交流圏』は、「文明の交流史観」を提唱する著者が、古代の日本について論じた本です。大和政権という一極に収斂するかたちで古代日本史をえがくのではなく、出雲王国や越王国との相互関係、さらに中国大陸や朝鮮半島、渤海国などとの密接な交流を重視することで、「環日本海文明圏」という観点から日本古代史を見なおす試みをおこなっています。

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著者プロフィール

小林道憲(こばやし・みちのり)
1944(昭和19)年 福井県生まれ。
1972(昭和47)年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、福井大学教育地域科学部教授、
麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授。
専攻は哲学・文明論。

主な著書
〈哲学研究〉
『ヘーゲル「精神現象学」の考察』『生命と宇宙』
『複雑系社会の倫理学』『宗教とはなにか』
『宗教をどう生きるか』『複雑系の哲学』
『生命の哲学—〈生きる〉とは何かということ』(人文書館)
〈現代文明論〉
『欲望の体制』『われわれにとって国家とは何か』
『近代主義を超えて』『20世紀を読む』
『二十世紀とは何であったか』
『不安な時代、そして文明の衰退』
『対論・文明のこころを問う』(共著)
〈比較文明論・日本研究〉
『古代探求』『古代日本海文明交流圏』
『文明の交流史観』等がある。

「2008年 『生命(いのち)の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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