ゼロからの経営戦略 (シリーズ・ケースで読み解く経営学)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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本棚登録 : 181
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623078325

作品紹介・あらすじ

経営学を学ぶ学生、ビジネスマン向けシリーズ第一弾。ヤマトホールディングス、富士重工業、TOTO、コマツなど多くの企業の成功事例を通して、これからの企業戦略を考えていく手がかりを探る。市場の成熟化、グローバル競争の激化する中、明確な戦略がなければ勝てない時代において、「場当たり的経営者」と「力量のある経営者」の違いを分ける戦略的思考法についてわかりやすく語る。

感想・レビュー・書評

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  • 経営戦略の入門書。身近な企業の事例から、企業が悩み、飛躍した実践知を経営戦略のフレームワークやタームを散りばめながら紹介し、現実と理論の両面から学べる1冊。
    1ケースあたり最大30分で読めるのですきま時間にも読みやすい。

  • 事例がとてもわかりやすくまとめられていて、かつ、経営戦略の外枠が網羅的にカバーされている良書。競争優位の確保のために、どうやって差別化するかがいろいろな視点から描かれていた。先行者優位を確保することや、他社が模倣困難な技術力で事業展開する事例など。何によって模倣困難性を実現しているかの観点からの説明がもっと充実してくれていたらより勉強になる。

  • あとがきで、沼上先生は、何事もまずことばだと指摘される。 “ことばによって我々は世界を作り出し、世界を分節化し、自分たちの経験を解釈しているから”
    本書は経営を語ることばの解説書である。

    ・戦略とは、あるべき姿を描き、環境を分析し、経営資源を意識しながら背後のメカニズムを解明し、あるべき姿に到達するシナリオを描く事
    ・戦略を立てる上で最も重要なのは顧客
     Ⅰ顧客を分類(セグメンテーション)し、そこに合った4Pを提供する
     Ⅱ供給を需要に合わせる
    ・どのような市場ポジションを取れば儲かるか:ポジショニング・ビュー
     白地の場合は他社も十分なリソースを持たない。早く市場に入り技術やノウハウを習得
     →市場は絶対評価ではなく相対評価
    ・市場の成長に合わせた戦略転換
     成長期は陣取り合戦の為カニバリしても積極展開。成長率により需給バランスを整える
    ・経営とは、ほかの人に仕事をしてもらう事
     スパン・オブ・コントロール
     上司1人が管理できる部下の数。4~8人が限界。チェーンによる均一化等などで拡大可
    ・イールド・マネジメント
     供給数量(キャパ)が決まっていて在庫が持ち越せないサービス業において、単位当たりの収益(イールド)を最大化する。航空・ホテル
    ・トータル・コスト・オブ・オーナーシップ
     製品を所有して使い続ける際にかかる総費用の事。イニシャルコスト・ランニングコスト・下取りによる資金回収
    ・業界ごとの適正な市場規模
     セグメントを細かく分けすぎると、経済的に生産できる数量を達成できなくなる
    ・リソース・ベースド・ビュー
     VRIO 価値・希少性・模倣困難性・組織
    ・破壊的イノベーション
     一見くだらないと思われていた技術が企業を衰退に追いやる事
    ・バイイングパワー
    相手をいかに取り換え可能な存在にするか

  • 小松のコムトラックスについて学んだ。

  • 初学者には良いと思う。

  • 実際の事例を基に解説されていて、初心者には分かりやすくて助かる。

    スバルのニッチ戦略。選択と集中は今自社に最も必要か。
    他にも、
    ストライプインターナショナルのセグメント。
    パーク24のIT活用方法。
    富士フィルムの経営資源の有効活用による事業転換。
    参考としたい。

  • 事例がたくさん含まれており参考になる。
    広範な経営戦略のポイント概念が紹介されている。

    <メモ>
    ・自社の経営資源からビジネスを出発させること。リソースベーストビュー。
    ポジションを考慮して戦略を選ぶのがポジショニングビュー。日本は得てして前者の場合が多い。
    ・カンパニー制は個別最適を追求するもの。市場が成長している際には有効であることもあるが、需要衰退局面はカニバリによる悪影響が大きくなり、全体最適を目指せなくなる。せっかくの規模のメリットを活かせなくなる。
    ・イメージだけで判断し、理由を深掘りしていないと新しいビジネスモデルを考えつくことはできない。
    市場の現場近くの情報を手に入れられれば新たな成長機会を見つけ出せる。ITはそのための武器。タイムズ
    ・経営資源が大事だという時には2つの考え方がある。
    1事業の多角化によるダイナミックな成長の源泉として
    2他社との差別化による高利益の源泉として。
    この2つの考え方は現実両立することもあるが、時には矛盾することもある。

  • 戦略をはじめて学びたい方にお勧めの一冊。
    ほかの戦略の本も見てみたが、難しそうと感じた人にもお勧めです。

    戦略の全体像を、身近な事例を通じて学ぶことができます。
    難しいことをわかりやすく教えてくれます。

  • 久しぶりの経営戦略論の本。また、沼上氏の本も2冊目。
    非常にわかりやすかった。また、ケースも少しいままでの
    いろいろなケースよりも新しくなっていて、理解しやすく
    なっていると思いました。
    基本的には、そんなに理論としては大きくかわっていない
    と思いますが、繰り返しこのような内容の本を読むこと、
    勉強することで、自分の仕事における振り返りや
    方向性を考えるいい機会になるような気がします。

    ”おわりに”の章は経営戦略論の事例ではありませんが
    とてもいい内容だと思いました。
    覚えておきたいと思います。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2023年 『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕<2色>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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