「赤ちゃんポスト」は、それでも必要です。:かけがえのない「命」を救うために (シリーズ・福祉と医療の現場から)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623080908

作品紹介・あらすじ

親が育てられない赤ちゃんを匿名で預けられる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」が日本で最初に開設されてから10年がたった。ようやく二つ目が設置されようかという動きがあったものの、いまだ実現には至っていない。妊娠や子育てに悩んでいる人の相談活動を続ける著者は、ひとりでも多くの赤ちゃんの「命」の誕生を願ってその存在意義を訴え続ける。かけがえのない「命」のバトンをつなぐためにできることは何か。いま、あらためて議論の高まりを期待したい。

感想・レビュー・書評

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  • 熊本市にある慈恵病院「こうのとりのゆりかご」を支えてきた田尻さんのご本。すでにこの現場は離れてらっしゃる。
    タイトルにある「赤ちゃんポスト」という言い方は、慈恵病院の取り組みを理解し応援している人は、ふつう使わない。それでもあえてタイトルに持ってきたのは、より多くの人に関心を持ってほしいからに他ならない。
    「赤ちゃんポスト」は一つのシンボルなのだと、田尻さんは言う。一人ですべてを抱え込んでしまっている妊産婦さんへのメッセージとも言える。
    このシステムが社会からなくなる事を理想としながらも、熊本だけじゃなく、全国にこの取り組みが広がってほしいと願っておられる。
    今日も、家族に黙って妊娠出産した女性が、新生児を用水路に遺棄して殺してしまうという痛ましいニュースが聞こえてきた。上に子どもさんがおられる主婦の方だった。県外である熊本まで、その子を連れてくることは無理だったんだろうな‥と思った。そもそもそういう選択肢がその女性になかったのかもしれない。
    できるだけ不幸な母子が救われるためには、建前だけではない議論が必要だろう。そしてやっぱり政治で考えなきゃいけない問題なのかもしれない。

  • 頭でっかちではない、地に足の着いた支援。タイトルの「それでも」にこめられた思いをくみ取る社会であるならば。今救える命を見捨てることに大義も理由もない。

  • 「赤ちゃんポスト」の是非を考えたくて本書を手に取ったが、内容はかなり著者の自伝に近い。
    著者は赤ちゃんポストが設立された慈恵病院の元看護師で、妊娠・出産に悩む女性たちに長年寄り添ってきた。本書でも相談内容がかなり具体的に紹介されている。
    本書は著者が自分が今までやってきたことへの心の整理をつけるために書いた本のように思えた。
    いのちに対して真摯に向き合ってきた著者の崇高な姿勢は感慨深いが、赤ちゃんポストについて考えようと本書を読む人(私のような)にはあまり参考にならないかもしれない。
    また新聞記事からの引用がとても多かったように感じた。本書の半分くらいの内容が、本として書くことではないような…。

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著者プロフィール

2017年4月現在 全国妊娠SOSネットワーク理事

「2017年 『「赤ちゃんポスト」は、それでも必要です。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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