言葉を選ぶ、授業が変わる!

  • ミネルヴァ書房
3.80
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本棚登録 : 52
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623081295

作品紹介・あらすじ

教師が子どもに呼びかける言葉ひとつで、子どもの学びやコミュニケーション能力は大きく変化する! 実際に教室で行われた多くの授業の事例を用いながら、具体的な言葉を紹介し、どのように子どもたちが学びを進めていったのかを分かりやすく解説する。小学校?高校の教員はもちろん、保護者にも広く読んでもらいたい、自ら主体的に学ぶ子どもを育てるための手がかりとなる1冊である。[原著:Peter H. Johnston(2004)Choice Words: How Our Language Affects Children's Learning. Stenhouse Publishers.]

感想・レビュー・書評

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  • 生きるということは、言葉の上に立っていることを意味する。
    よりよく生きるためには、あなたは自分の言葉を変えなければならない。-ケンドリック•スミサイマン p.199


    本書の内容を端的に著した引用だ。
    この本に書かれていることは、明日使えるネタを求める教育者には、響かないかもしれない。
    だが、以下に教師の言葉や態度が、子どもたちに影響を与えているか考えさせられる本だ。

    教師自身の信念は何なのか、どのように生きたいのか、どのよつな学び手でありたいのか?
    そういった問いをまず教師自身が考える必要がある。

    教育関係者必読。
    自分の求めるありかたと教室の姿•実践が
    一致しているか、よく考えなければならない。

  • 教育者のための「言葉がけ」「コミュニケーション」の本

    原題:CHOICE WORDS:HOW our LANGUAGE AFFECTS CHILDREN'S LEARNING

    第一章 言葉の使い方が、学ぶ内容や人間性を左右する
    第二章 気づくことと、名づけること
    第三章 アイデンティティー
    第四章 主体性、そして選択するということ
    第五章 柔軟性と、活用すること
    第六章 子どもにとって「知ること」とは
    第七章 民主的な学びのコミュニティーをつくり続けるために
    第八章 あなたは、「誰と話している」と思っていますか?

    まえがき~本書のポイント
    ・各教科内容に学習と、言葉の学習は大きく関係し、セットで学ぶことができる
    ・クリティカルな思考、創造的な思考、他者を思いやる思考(気持ち)と、言葉の学習は大きく関係
    ・一人の学習者として自律的に思考し、活動することと、コミュニティーのみんなで問題解決することは大きく関係し、セットで学ぶことができる
    ・みんなでともに考え、行動することと、みんなが異なっていることは大きく関係

    2つの目的
    1)教師の言葉の使い方によって子どもがテストで測れるような国語の力を身につけることを説明できるか
    2)教師がうみ出す「複雑な学習」をはっきりと示す

    P6「子どもたちは、身の回りにある知的な生活の中で成長していく」ヴィゴツキー

    レフ・ヴィゴツキー ソ連時代の心理学者
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B4%E3%83%84%E3%82%AD%E3%83%BC

    Character=人間性
    アイデンティティー、主体性(Agency)、態度、ふるまい、心性(disposition)、マインドセット(思考様式)、パーソナリティー、気質(temperament)、価値、信念、社会的・感情的スキル(自己観察、管理能力や人間関係形成能力)など

    リーディング・リカバリー
    ニュージーランドのMクレイによって開発された
    Marie Clay
    https://en.wikipedia.org/wiki/Marie_Clay
    初等教育段階の低学年時において、通常クラスの授業を受けているにもかかわらず、そこでの学習を困難とするこどもたちを対象に実施される回復指導

    谷川とみ子
    「M.M.クレイのリーディング・リカバリー・プログラムに関する一考察 : 英語圏における読み書き能力の回復指導」https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/57495
    樋口とみ子
    http://lib1.kyokyo-u.ac.jp/kiyou/kiyoupdf/no111/bkue11107.pdf

    リーディング・リカバリー北米協会
    https://readingrecovery.org/

    P6人々が互いに殺しあうのをやめさせるような言葉の指導ができているかどうかを、ときどき自分に問いかける、そんな教師になりたいと思い続けている~メアリ・ローズ・オライリー「平和な教室」

    ローズ・マリー・ウェーバー

  • 値段に見合う満足感や学びはなかった。まずは、言葉を精選していく場面が、読み書きの授業と非常に限定的であること。それから、基本的には対話を前提とした言葉かけについて書かれているので、よく喋る小学生に対しては有効なのだろうが、言葉少なになってくる中学生に対してはあまり有効とは思えないこと。次にこの本そのものが散文的に書かれていることが学びを薄いものにしていると思う。他者との相違に気付かせたり、自分をメタ認知させたり、結果に辿り着くまでの過程を意識的に言葉にさせ、その妥当性を検証させたり、言ってることは最もなのだが、アプローチの仕方が、あまり参考にならなかった。残念。

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