- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623092000
作品紹介・あらすじ
一人の命を救う者が全世界を救う――。戦争という狂気の時代、自分や家族の危険を顧みず、勇気と強い意志をもって、数千人もの命を救った外交官・杉原千畝。その一生を、未来を生きる中高生に伝える1冊。第?部では杉原千畝の生涯を紹介し、想像を絶する困難を乗り越えてまでユダヤ人たちを救う道を選んだ理由やその軌跡を、出来る限り詳細に述べる。第?部では、杉原千畝が生きた時代を解説。杉原千畝に対する理解をより深める。
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦のさなか、命の危機に瀕しているユダヤ系の
人々に手を差し伸べた日本人外交官がいた。
杉原千畝。その名前と「命のビザ」を発行したことは知って
いたが、評伝を読むのは本書が初めてである。
中高生向けということもあってか、第一部では杉原の評伝に絡めて
外交とは何かを解説している。これは中高生だけではなく、大人
でも参考になる。
大使館・総領事館・領事館の違いを、正確に説明できる人って
あまりいないと思うもの。私だってそうだ。本書を読んで「ほぅ、
そういう違いがあるのか」と感じた次第だ。
改めて、優れた外交官だったのだなと思う。外務省本省の通達に
反し、時間の許す限り「命のビザ」を発行し続けたのだから。
宗教や人種、出身国を問わず、苦境にある人々に対して手を差し
伸べる。後年、杉原は自身の行ったことに対して「大したことを
したわけではない。当然のことをしただけです」と言っている。
これが言えることが凄いと思う。みながみな、杉原のような感覚を
持っていたのなら、救えた命はもっと多かっただろうとも思う。
杉原の生涯を追った第一部に対し、第二部では彼が生きた時代の
流れを追っている。波乱という言葉では言い表せない時代だった。
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に何があったのかを、十分に
把握できる。
「外交官として」と言うより、「人として」外交官という立場で、
その時に出来ることを、出来る限り実践した人なのではないだろか。
事実をしっかりとおさえて書かれた良書。大人にこそ読んで欲しい
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東2法経図・6F開架:289.1A/Su34s//K