魔女の社会史

著者 :
  • 未来社
3.43
  • (0)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784624110468

作品紹介・あらすじ

近世初頭までヨーロッパ大陸を中心に吹き荒れた魔女狩り旋風の政治的・社会的実態とそれを可能にした民衆思想的基盤を、イギリス社会史の過程に即して分析したユニークな書。

目次

第一部 魔女の時代
 魔女の時代
  一、ステュアート王朝 二、魔女はいつからいたか 三、魔女迫害のはじまり
 魔女迫害の年代記
  一、三つの魔女迫害法 二、魔女迫害の地域 三、魔女研究の歴史 四、一千人の魔女
 魔女裁判
  一、魔女さがし屋 二、魔女の証拠 三、拷問と虐待
 魔女の告白
  一、ジャン・ボダンの悪魔学 二、サバト 三、魔女の定義 四、魔女迫害法の背景
 誰が魔女迫害に反対し、誰が賛成したか
  一、レジヌルド・スコット 二、革命政府の態度 三、ジョン・ウェブスタと科学者たち 四、フランシス・ハチンスン 五、ダニエル・デフォーの悪魔学
 魔女解釈学
  一、歴史としての魔女迫害 二、魔女の分析 三、魔女と社会
 付録 マシュー・ホプキンズ『魔女の発見』(一六四七年)全訳
第二部 魔術と科学の間
 イギリス革命と星占い
  一、星占いの全盛期 二、ウィリアム・リリー 三、リリーのアルマナック 四、革命のなかで 五、星占いとカルヴィニズム
 ある錬金術師の生涯
  一、錬金術とバラ十字兄弟団 二、アッシュモールとフリーメン

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ただこういう反魔術のたたかいは、しばしば、ゆきすぎやゆがみを生んだ。魔女迫害もそのひとつのあらわれである。そのゆきすぎがあらためられ、熱狂がとおりすぎたのち、科学はようやく発展の軌道に乗ったのであって、だから魔術と科学との間にはピュウリタニズムがあったというのが、わたくしの結論である」

    魔術みたいなのがまた流行るようになったのは、もはや近代にあったような「(擬似)科学としてのロマン」というよりも、ポスト近代としての「非科学の中にあるロマン」という側面のほうが強いのだろうなと思う。

    それはつまり、それだけポスト近代における「科学」というものが、近代のときのそれよりも盤石になっているということの証でもあり、それはなかなかどうして皮肉的でもある。現代における魔術的なものの隆盛は、あくまで科学という確固たるリアリティが作った箱庭の中の、子どもたちの遊戯のようなものなのかもしれない。当然、良い意味で。

全2件中 1 - 2件を表示

浜林正夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×