詳説世界史学習ノート世界史B 上: 世界史B詳説世界史(世B304)準拠
- 山川出版社 (2014年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634042247
感想・レビュー・書評
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本書は数ある山川出版社の世界史問題集でもオーソドックスな部類にはいるでしょう。しかし、解答欄に大きく書き込めるノートスペースを作っていることで自分自身で調べたことやまとめたこと、疑問点などを書き込めるため、単なる問題集以上の使い方ができる便利な一冊です。内容も意外と深いところまで触れているので、センター試験だけでなく私大や国公立の2次試験にも対応できます。ただ、流れもチャート式になっているため分かりやすくはされていますが、矢印が→方向だったり、←方向だったりで前後関係が分かりづらく見えるのは残念です。あと、多少間違いや疑問点があったので以下の通り記載させていただきます。私が買ったのは第1回第1版ですので、もう修正されているかもしれませんが・・・
※それにしても、今は古代エジプトの人々の語系は「ハム語族」ではなく「エジプト語系」なんですね・・・勉強不足だ
8頁(2)の答え
「エジプト語系民族による多数の(2 )(都市国家)の形成」
もちろん答えは(2 ノモス )なのですが、新課程版の山川出版社『詳説世界史』では「県」と訳されています。
114頁設問
「陳朝大越国で、漢字をもとに作成された文字」
もちろん答えは(チュノム(字喃))ですし、新課程の教科書にもそう書かれてありますが、研究者の間では陳朝以前からチュノムは作られていたということが議論されているようです。断定するのは厳しいかと思います。
120頁
アチェ王国(15世紀末~20世紀初)・・・ジャワ
マタラム王国(16世紀末~1755)・・・スマトラ
これは明らかに間違いですよね。アチェ王国がスマトラで、マタラム王国がジャワです。
128頁(9)について
(9 タウングー )朝(1531~1752)・・・中国人の反乱を機に滅亡
タウングー朝については、新課程版の教科書でも「中国人の反乱をきっかけに倒れた」と書いているのですが、去年刊行された『物語ビルマの歴史』(中公新書 2014年)では、直接タウングー朝を滅ぼしたのはモン人たちのようで、このモン人の軍隊を倒したアラウンパヤーが次のコンバウン朝(アラウンパヤー朝)を樹立します。詳細をみるコメント0件をすべて表示