国民国家とナショナリズム (世界史リブレット 35)

著者 :
  • 山川出版社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (82ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634343504

感想・レビュー・書評

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  • 普段新聞とか読まないから言葉の意味から躓く部分もあったが、全体はつかめたかなと思う。
    理解しきれない部分もあったけどすんなり入ってくることもあった。

    とくに独仏英の比較は面白い。
    ドイツが民族主義的国籍国家で客観主義に対しフランスは国家(共和政)原理からなる主観主義的統合原理を用い、対照的であることがよくわかり、両者のメリット・デメリットもわかりやすかった。ドイツのこの考えが今日のネオ・ナチにつながっていたり、フランスのムスリムの少女のスカーフ問題の根本がここにあったりと現代にも大きく影響していることに気付けてよかった。

    またイギリスが連合国であることもよくわかった。最近でもスコットランドの独立住民投票があったのでタイムリーだった。
    「ウェールズの山」の話も非常にわかりやすい。観てみたいと思った。

    個人的に怪物タコビスマルクのカリカルチュアがツボ…。

  • スコットランドの独立問題について、ちょっと頭を整理しようと思って再読。
    (ちなみにこのシリーズは新書より遥かに読みやすいので、少し専門的に勉強したい人にオススメ)

    著者は京大西洋近代史の前教授でフランス史専門だけど、英独仏の比較がバランスよくなされていて非常に理解が容易い。

    論旨は単純明快で、国というレベルよりも上位の紐帯に統合されることにより、独立と自治の境界が曖昧になること。

    わかりにくいので、後日噛み砕いて加筆しよう!笑

    2014.9.21(日)

  • 一言で「国民国家」といっても、ドイツ、フランス、イギリスで辿ってきた道が違う=意味しているものが違う、ということを再認識できた。

  • ナショナリズムがどのように形成され、どのように制度化されていったのかについて概説した本。この手の議論に慣れていない人向けのものだが、慣れている人にとっては大分物足りない。解放のナショナリズムと、排外のナショナリズム。1999年に書かれただけあって、この本に書かれた展望は、今読むと明るすぎ、楽観的すぎるかのように思える。

  • 国民国家とナショナリズム論の入門書(そのまんま)
    世界史未履修なので、ドイツやフランスの国家としての成り立ちが分かって面白かった。

  • ナショナリズム入門への入門書という感じ。
    短いしよみやすい。独仏の比較をメインにナショナリズムという言葉の持つ多様性をまとめてあります。
    ルナン、フィヒテ、アンダーソン、スミスにほんの少しだけど触れているのも好印象。
    これを導入に、上記した人物の本を読んでいくといいかも。

  • 国民国家が形成されていく中で、どのように愛国心が生まれていったのかを記載してある本。

    訳注とかが豊富だし、資料も沢山掲載されていて面白かった。

  • コンパクトにまとまったわかりやすい国民国家論の入門書。国民国家のドイツ・モデルとフランス・モデルおよびその歴史的形成過程を紹介。後半では、B・アンダーソンの「想像の共同体」論を、一般的にまかりとおっている誤った受け止められ方を批判しながら取り上げ、それに対しA・D・スミスの議論を肯定的に紹介。

  • 東大世界史対策

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著者プロフィール

2019年5月現在
京都大学大学院文学研究科元教授

「2019年 『越境する歴史家たちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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