中国の海商と海賊 (世界史リブレット 63)

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  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634346307

感想・レビュー・書評

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  • 中国史研究の分野では手薄であった、中国人の海洋活動について、特に東南アジアや日本などを含めた海域を軸とし、唐宋から明清時代まで論じた本。コンパクトな内容だが、十分な例が挙げられており、中国南方の歴史を考える上で、貿易・海賊の問題について非常に有用な手掛かりになるかと思う。最後のページで、現代マラッカ海峡に出没する海賊が「ロケット砲やライフルで武装している」との記述があるが、ロケット砲というのは携行式ロケットランチャーのことだろうか。

  •  中国史研究の中で軽視されてきた海洋史。本書はコンパクトだが、一貫して海上活動は存在していたことが分かる。
     後漢頃から海路の対外交渉が積極的に。8世紀前半の唐代には中国海商の対外活動が活発化、官吏の市舶使が設けられる。宋代にも拡大。元朝での海外進出は漢民族王朝よりも積極的、海港ザイトゥン=泉州が東方見聞録に記載されるのもこの頃。
     明代の海禁政策では民間人の海上貿易が禁止されるが、外国朝貢船は入港。ただ密貿易は存在し、日本や朝鮮に来航の記録。後半期には海禁政策は緩和され、海外貿易は盛んに。一方で倭寇・海賊は明代全時期を通じ存在、著名な鄭芝龍も。
     清代の海上活動はより定期的、恒常的になり、帆船を活用して活発化。海賊も存在し、琉球から福建までの朝貢ルートは危険性が高かった。台湾海峡などでの海賊の記録は20世紀初頭にも。

  • 史料に現れる唐代から清末までの海商と海賊の活動について時代順に概説。参考文献リストあり。

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著者プロフィール

兵庫県立大学客員研究員

「2019年 『日本経済の長期停滞をどう視るか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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