- Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634542303
作品紹介・あらすじ
人間の世界の時間的変遷を描くのが歴史学である。しかし、歴史は、人間世界の中で完結しているわけではない。その世界の外には、自然という広大な世界がそれを囲んでいる。ヒトは古来それを神といい、懼れ、敬ったが、文明が展開すると、人間はヒトの世界に目を向けるだけで、この外に存在する自然の世界を時として忘れた。二十世紀の末、人間の傲慢がさまざまな災害をもたらしたとき、自然を再び自覚した。そのとき、自然と人間の関係を問題とする歴史学、「環境歴史学」が登場してくる。はたして「環境歴史学」とはどのような学問であろうか。どのような可能性をもっているのであろうか。
感想・レビュー・書評
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人間と自然の関わりを歴史学的に見るとはどういうことかについて具体的に述べられていて、興味深かった。文献による調査だけでなく地理学的に歴史を辿るのも面白いと感じた。
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「もののけ姫」が引かれるのは分かるとして、もっとマクロな話かと思っていたので、冒頭「環境歴史学にはまず歴史学としての側面と文化財学としての側面がある」しかも歴史学も荘園村落遺跡調査とか言われて面食らったのだが、全体としては面白かった。この頃は小氷河期でとか今より温暖でといったあたりを掘るのではなく、それは背景として水田開発に伴う人側の自然観の変遷を神やホタルの扱いに見るとか、村落と里山といったミクロなレベルでの関係性が問題になっていて、だから圃場整備事業や文化的景観から文化財に繋がる。参考文献リストあり。
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こういう視点はなかった。