- Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634544802
作品紹介・あらすじ
江戸幕府の崩壊はいつ頃から始まったのか。幕藩体制自体がはらむ矛盾、度重なる天変地異、激変する経済情勢、海を越えてやってきた脅威、力をつけた庶民。これらに対応して、幕藩体制を守るために行なわれた改革のうちの代表的なものが三大改革といわれる。しかし、三大改革という理解は正しいのだろうか。「内憂」と「外患」の視点から、三大改革を見なおすことによって、江戸幕府の崩れゆく様子を眺めてみたい。
感想・レビュー・書評
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江戸時代の三大改革と呼ばれる享保の改革・寛政の改革・天保の改革のそれぞれについて、要点を解説した本です。
また後半には、そうした善政と対比される田沼時代などの悪政が何故生まれた花の香について江戸時代の側用人などが紹介されています。
【こんな人におすすめ】
江戸時代の改革に興味がある人
三大改革についての入門書を探している人詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「江戸の小判ゲーム」に触発されて、裏を取るための幕政史のおさらい中。まずは山川リブレットで。制度史のアウトラインはわかるのだが、やはり、経済政策の効果を定量的に説明したものではない。
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藤田覚『近世の三大改革』(日本史リブレット48)
近世の三大改革をまとめた本です。
リブレットなので読みやすく、項目が改革ごとに分かれていたのでそれも良かったです。
良かったです…が。
享保の改革が少ない…三大改革と銘打つならもう少し欲しい…
この本では享保の改革と他二つの改革は性格が違うとして、主に後者に注目しているのですが、やはりタイトルに冠している以上、もう少し欲しかったかなあ…という気持ちは否めません。
決して悪いものではありませんが。
後、個人的には田沼の評価が高くて嬉しいばかりです。 -
中学、高校の日本史でおなじみの三大改革、つまり
徳川吉宗による享保の改革
松平定信による寛政の改革
水野忠邦による天保の改革
というものです。
この三大改革は、それぞれ幕藩制の危機的状況に対応したものとして並列的に教科書などでも取り扱われておりますが、果たしてそれが正しい認識なのかという問題点を著者は提起しています。つまり、従来の三大改革論ではなく、二大改革論としてこの3つの改革を見ていきたいとしています。
氏は、元禄以来の諸矛盾の解消のための享保の改革と、幕藩制国家の解体過程を宝暦・天明期におき、それ以降の「内憂外患」で示される諸問題の政治的対応策を寛政・天保の改革と位置づけています。
こういう風に江戸中期以降の改革を見てみると、今まで分かりにくかった諸改革の内容、幕府と諸外国、幕府と諸藩との関係も見えてきたような気がします。寛政・天保の改革とこれらとの関係は切っても切り離せない関係にあることがよく分かりました。
何か高校生みたいな読書感想文っぽくて申し訳ありません・・・
追記:金銀の含有量を大幅に減らした文政金銀について、「贋金作りから贋金呼ばわりされた」というエピソードは面白かったです。