ボワソナード: 「日本近代法の父」の殉教 (日本史リブレット人 087)
- 山川出版社 (2022年4月6日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (106ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634548879
作品紹介・あらすじ
明治初期にお雇い外国人として招かれ、近代法制導入から外交交渉・条約改正にいたるまで、八面六臂の活躍をしたボワソナード。明治政府の指導者たちの数奇な運命とともに、彼の足跡を描き出す。
感想・レビュー・書評
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高校日本史の副読本的な位置づけか。
70頁以下の「旧民法典の完成と暗転」の章は、一読の価値がある。
ボワソナードの功績は、旧民法典の編纂であり、法典論争で葬り去られたことは、よく知られた歴史的事実であるが、「旧民法がわが国の醇風美俗を壊乱する」という批判が、スローガンに過ぎないものであり、法典論争の実質を有さないものであったと指摘されている。梅謙次郎の「徹頭徹尾の誤謬の妄言」とする評価も引かれている。
結局、イギリス法派とフランス法派の「パンの奪い合い」という評価も聞かれるが、本質は、市民層の形成のないところに、近代民法を持ち込むことにこそ、ボワソナードが遭遇し、翻弄された結末の「原因」があったといえるのではないか、と著者は分析する。
その後の民法学のドイツ法への傾倒を方向付ける歴史的事実が見られる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:289.3A/B62i//K
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