- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635048606
感想・レビュー・書評
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南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの5作目。
『ハルカの空』に次ぐ短編集。単行本での12話に、文庫本特別収録1話がついて、お得感あり。
第4話では、『約束の地』『許されざるもの』での主人公野生鳥獣保全管理官の七倉航が顔を出し、なつかしい。
第9話で登場人物の一人が吐露する。
「なくてもいい便利さのために、この南アルプスが傷つけられる。かけがえのない自然が破壊される。俺はそれが許せない。人間は欲と傲慢を捨てて、そろそろ謙虚さを学ぶべきなんだ」
八ヶ岳と南アルプスに挟まれた土地に居住する著者の切実な思いでもあるだろう。
第11話「相棒」は、隊員進藤諒太と救助犬との話。涙腺を刺激されずにはいられない。
これからも読み続けたいシリーズのひとつ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
樋口明雄『レスキュードッグ・ストーリーズ』ヤマケイ文庫。
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの短編集。文庫本特別収録の1話を含む全13話を収録。徳間文庫、ハルキ文庫、新潮文庫と続き、今度はヤマケイ文庫からの刊行となかなか忙しい。 しかも、ヤマケイ文庫から刊行されたのを見逃していた。
冬山で遭難した男、嫌われ者の頑固爺さん、急変する山の気象、失われいく自然と人間のエゴ、山の怪異、大切な人との別れ……日常よりも生と死を強く感じる山を舞台に様々なドラマが描かれる。他のシリーズ作品はサスペンス冒険小説の色合いが濃いのだが、本作は泣ける感動的な話が多いようだ。
『遺書』『山の嫌われ者』『青天の霹靂』『神の鳥』『霧の中に……』『帰ってきた男』『父の山』『サバイバーズ・ギルド』『辞表』『向かい風ふたたび』『相棒』『夏のおわりに』『彼方の山』を収録。 -
山岳救助隊シリーズの中で、この作品は何故か気付かずに漏れていた。
北岳での救助の日々を短編集にした感じ。
特に注目したのは第4話「神の鳥」。
私の大好きな『約束の地』の七倉航が八ヶ岳からライチョウ調査にやってくる。
七倉の相棒は、熊を山へと追い払うベアドッグのダン。このシリーズでは救助犬が相棒として登場する。どの犬も強く賢くそして愛情深いのが、たまらなく良い。 -
標高三一九三m、日本第二の高峰・北岳。そこに南アルプス山岳救助隊があり、山岳救助犬を伴うK‐9チームがいる。遭難者の救出、激烈な山岳気象や山の不可思議譚、さらに高齢者登山や南アルプスのリニア問題など、多様な視点から人と山、そして犬との絆を描き出す本格山岳小説集。『山と溪谷』連載時から好評を博し、文庫書き下ろし作品「彼方の山」を含む全13編。
特に「相棒」は印象に残った。 -
大自然北岳を舞台にした山岳救助隊の短編集,ヒューマンストーリーだ。既読感ありありだったがそれもそのはず,単行本の文庫本化だったんだね。それでも一編は書き下ろしだったしいい物語だから読み直して正解。
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2023/2/12購入