- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635049276
感想・レビュー・書評
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日本編では、山歩きに対する作者のこだわりや、山人との交流が語られる。また、外国編では、北米、欧州、インドの各部で、山容や現地での山との付き合い方の違いが感じられる。文章も充分具体的な話が多いが、挿画がそれをさらに具現化してみせてくれる。
巴水や魁夷と並んで好きな吉田博。展覧会で画を観るのもとても満足感があるが、文庫本のカラーページを眺めながらその画を育んだ山でのエピソードを読み込むのも手軽で楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20世紀初期から中期にかけて活躍した人物~恥ずかしながら全く知らなかった。
文庫版とは言え、彼が相当な筆力のある山の芸術家であることは認識できた。
8割余は日本、特に日本アルプスに力点を置いた分が並ぶ。残りはグランドキャニオン スイスアルプス ヒマラヤを登った時の感慨と絵が納められている。
当然乍ら、日本の山岳風景と登山時の所感の文が胸を熱くする。余りに、内容が濃く(芸術家と登山の二束わらじとは言うものの、とてつもないレベルの高さ」圧倒されんばかりの中身。
私自身15年余 「登山を齧った」・・今も低山だけしているものの、装具やアクセスが今と大きく中身が異なり、比する以前の感慨を抱いた。
雨合羽~縦走で何日も歩くさい、掘った地中にそれを敷いて沸かした湯を入れ 風呂の代用にする・・なんて -
吉田博展で購入。山登りが一部の愛好家のものだった時代に、絵のためだけに1か月にも及ぶ山行を挙行していた吉田博。山岳風景への汲めども尽きぬ情熱を感じる1冊。口絵のカラー図録も美しい。