本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635171700
感想・レビュー・書評
-
夏休みに白馬岳に登る計画を立てているので、参考に読んでみた。
田んぼの代掻き(しろかき)の時期に、山肌に馬の模様が浮きでることから、「代馬岳(しろうまだけ)」と呼ばれ、それが「白馬岳」と書き間違えられて地図に載り、さらに音読みの「ハクバ」が通称になって地元の村も「白馬村(はくばむら)」に改称してしまったという経緯は何となく知っていた。
本書を読んで初めて知ったのは、白馬山荘を経営する松沢家と地元村民との長い確執だ。明治38年に日本初の本格的な営業山小屋を開設した、16才の松沢貞逸の成功を村民は快く思っておらず、登山ブームに乗り遅れまいとすぐそばに村営の小屋を開設し、熾烈な競争が現代まで続いている。
なぜ山頂直下のすぐ近くに大きな山小屋が二つもあるのかと不思議に思っていたが、こういう経緯があったとは知らなかった。
江戸時代の山稜の縄張り争いから、戦前戦後の登山ブーム、スキーブームまで、寒村に過ぎなかった場所をめぐる興隆の歴史が、松沢家の系統とともに書かれており、興味深かった。登る前に読んでよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示