- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635178198
作品紹介・あらすじ
「赤い信号弾」か「青い信号弾」か-1970年6月ナンガ・パルバート ルパール壁。弟ギュンターを失った、ラインホルト・メスナー初めてのヒマラヤ登山で、隊長カール・マリア・ヘルリヒコッファーとの間で起こった確執の一部始終を描く。
感想・レビュー・書評
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メスナーがナンガで弟を失った時の真相が書かれた本で
かなり分厚く、そして大変に読みにくい本でした。
訳者も苦労したらしくて、そのことを「ちぎっては投げるような文体」と。
まさにその通りで、また、全編なぜだか「現在形」で書かれているため、
なんというか、「山行記」としては非常に入りこみにくい内容でした。
先日読んだ「梅里雪山」とはまた違った読みにくさというか、
梅里のほうは、淡々と飾り気のない文章で色気がない、と思ったけど、
「裸の山」は、なんというか、ある意味、長編の抒情詩みたいな本でした。
訳者も「文学作品と思った」と書いてるけど、そういう捉え方はアリかも。
それにしても、酷い隊長で、メスナーがそれ以降
彼独自のスタイルで登った理由がよくわかりました。
来春日本でも公開される映画をぜひ見てみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ナンガ・パルバード」ウルドゥー語から翻訳すると「山々の王」もしくは「裸の山」になる、この山を初めて見たヨーロッパ人のアジア探検家シュラーギントワイトはカシュガルで殺され、これがナンガ・パルバードの不吉な運命の始まり・・・
最初に挑戦したママリーは消息を絶ち、次いで挑戦したメルクルは吹雪に閉じ込められポーターのゲイ・レイと凍死、その後メルクルの異父弟カール・マリア・ヘルリヒコッファーが、遠征隊長を引き継ぎ悲劇は繰り返される。
初めて登頂したヘルマン・ブールは、ヘルリヒコッファー隊長の意に反し頂上に向かいボロボロになって帰還、「命令違反者」と非難され成功の栄光を横取りされる。
そしてこの本の著者ライン・ホルトメスナーはヘリヒコッファー隊長のもと、ナンガパルバードに挑み新たな悲劇が起こる。
この本はナンガ・パルバードの歴史がよく理解でき、メスナー本の中でも大変読みやすい1冊でした。