これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集

著者 :
  • 山と渓谷社
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635500487

感想・レビュー・書評

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  • 見開き1ページに1つの事例がまとまっていて気軽に読みやすい構成の事例集。ポップな仕上がりではあるものの、次から次に挙げられる死亡事例に、アウトドアが危険と隣合わせであることを思い知って気が引き締まった。

  • ショッキングなタイトルだなぁと思い読んでみた。

    野外の動植物に触れて亡くなってしまう例もあったり、天候などもうどうしようもないような例もあった。

    アウトドアに向かう時には現地の情報や気候、服装に気をつけて、無理のないように行こうと思った。

  • アウトドア活動での死亡事例を解説して、その対処方法を紹介した一冊。イラストがポップ。タイトルの勝利という気もする。レアケースとはいえ、ダツが刺さって死ぬことがあるとは知らなかった。

  • 本の雑誌・年末ランキングから。”~で死ぬ”って事例がひたすら並ぶんだけど、表紙に見られるように、イラストで恐ろしい雰囲気は緩和されていて、取っつきやすくなっている。内容は至って本格的で、本格的に活動するのではなく、レジャーとして楽しむだけっていう方面にも役に立つ。なるほど。

  • いろんなパターンがあって、勉強になる。
    なぜか、ダツの怖さが一番印象的だった…

  • スベスベマンジュウガニ、あんなに可愛いのに、毒持ちなのかぁ。あと鮫怖い。
    人って野外だとすぐ死ぬんだなと思いました。気をつけましょう。

  • ●転滑落事故は、疲労が蓄積してくる午後の時間帯の件で起きやすい。1日の行動の終わりが近づき、つい気が緩んでしまうのも一因。
    ●夏になっても残っている雪渓は、頑丈そうに見えても雪が溶けて崩れやすくなっている。特にトンネル状になった。雪渓の中には絶対入るべきではない。
    ●火山ガス。刺激臭。硫化水素。
    ●最大心拍数の65%〜75%位のペースで歩くと、オーバーペースにならずに疲れにくい。
    ●パウダースノー。埋もれて脱出できなくなってしまうことがある。特にストックを持たない。スノーボーダーは立ち上がることさえ難しい。
    ●雪崩で死なない為の3種の神器(雪崩ビーコン、プローブ、シャベル)
    ●テント内や車中など、登山用ガスストーブなどの火器を使用すると、酸素が足りなくなって、不完全燃焼を起こし、有毒な一酸化炭素が発生する。換気に充分注意する必要がある。
    ●山道で迷ったら引き返せ。
    ●落雷で安全なのは山小屋。山小屋がなければできるだけ姿勢を低く保って待つ。大きな木の下には側撃が起こる可能性があるので、かえって危険。木から4メーター以上距離を離した状態の保護範囲内に入る。
    ●人間を恐れない新世代のクマも現れ始めた。熊が絶滅したとされる九州以外では注意(四国には剣山周辺に約20頭のクマが生息していると言われている。)
    ●ダツは、全長約1メートルの細長い魚で、光に向かって猛スピードで向かってくる性質があり、くちばしが体に突き刺さる死傷事故が多い。
    ●クマ撃退スプレーがない場合は、地面にうつぶせになり、両手を首の後ろで組む防御姿勢をとって攻撃をやり過ごすしかない。
    ●毒蛇に噛まれたら、傷口を強くつまんで毒液を体外に絞り出す。口で毒液を出出すのはNG。アイシングは行わない。
    ●フグは、種類によって可食部が異なり、同じ種類の服でも、産地や時期によって毒を持つものと持たないものがいる。ただし、どのフグも内臓と卵巣は有毒である。フグ毒のテトロドトキシンは、加熱や冷凍などによっても無毒化しない。
    ●初心者がサップで死ぬ。技術と知識をスクールなどで身に付けてから楽しむようにしたい。
    ●溺れている人に投げるペットボトルは、中に少量の水を入れると遠くまで上げることができる。

  • もう、タイトルがすべて。これだけ”死ぬ”と書かれている本は珍しいのでは?とにかく、ちょっとしたことで死に直結してしまう。そんな死亡事例がたくさん。安全知識も挟み、コラムも参考に。

  • アウトドアにおける事故の事例集。
    死亡事故の紹介だけでなく対策の解説もあるが、そんなに突っ込んだ内容ではない。
    例えばアイゼン原因の転落死の場合「雪上訓練をし、現地では油断せず気を引き締めて歩こう(要約)」というようなアドバイスだ。
    そのためドキュメンタリーや実践的な対策を期待すると拍子抜けする事になる。
    とはいえ、アウトドアでどのような事故が起きるのか、広く知っておく事は重要だ。
    テント内火器使用時の一酸化炭素中毒、火傷のリスクを、知っている/いないの差は大きい。
    初心者にお勧めです。

  • オビの「最低限知らなければならない安全の話。」という文言が、もはやこの本の全て。
    変なものを食うなよとか、危なそうなとこに行くなよっていうのこそ、当たり前過ぎて見過ごされがちながらも究極の安全防止策なのは揺るぎない。けど、わかっちゃいるけど油断や慢心、そして思いもかけない脅威は我知らず、傍に忍び寄って来るものである。

    自然動物系はどれもしんどい状況だが、〈ダツに刺されて死ぬ〉(p82)は怖い。光に反応する習性があり、時に水面から飛び上がり突っ込んで来て細く鋭い嘴が肺にまで深々突き刺さるかもしれないらしい。ライトだけでなく装飾品の反射にも反応するかもしれない。怖。
    確率はググッと下がるが〈カタツムリやナメクジに触って死ぬ〉(p88)は反省。ナメクジはともかくとしてカタツムリは素手で捕まえて子どもに見せたり結構してるなあ…。寄生線虫により髄膜脳炎を引き起こすリスクがあるとは。怖。

    主に夏山でのリスクに〈雷に打たれて死ぬ〉(p24)というのがあり、回避の為に早発早着を心掛けよ、という格言はもちろん聞いたことがあったのだがいざ発雷が始まってしまった際は、急いで山小屋に避難するか身を低くして比較的安全な地帯でじっと耐えるかしかないと思っていたけど木などの周辺に「保護範囲」(p61)なるスペースがあるとは知らなかった。けどこれ博打みたいなものだよなあ。怖。

    君子危うきに近寄らずの精神で転ばぬ先の杖をギュッと握りしめて、アウトドアライフを楽しむようにしましょう。


    2刷
    2024.3.25

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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