- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635510813
作品紹介・あらすじ
夜の山では自分も世界もすべて変わる。「灯りを消して歩く、夜の山の楽しみ方」夜の山を好んで歩くようになって三十年近くたち、ソロで数え切れないほどたくさん夜の山を歩き、延べ数千人の老若男女を闇の中へ案内してきた中野純さん。 そんな氏が「夜の山の楽しみ方」をたっぷりと解説する。夜の山の楽しみとはなにか。ビビりながらも闇に吸い込まれていくと、五感のすべてが鋭敏になり、落ち葉がそっと着地する微かな音にも、向こうの繁みにいる獣の息遣いにも、離れたところで咲く花の香りにも気づき、肌に触れる夜霧の一粒一粒すらも感じ取れる気がしてくる。四季折々の変化を、五感で感じられるようになるのだ。本書では楽しみ方だけではなく、夜の山の作法(歩き方)、心がまえ、装備、そして野生生物への対処法、さらにはスマホやデジカメでの闇の撮影術も詳しく解説。すべて著者自身の経験から生み出されたオリジナルの「ナイトハイク術」だ。また首都圏と関西圏での著者おすすめのナイトハイクコースも紹介している。夜の山を歩き、山で寝っ転がると、いとも簡単に自然と一体になれる。なにしろ暗くて自分の手足も見えないのだから。自分とまわりの境界があいまいになり、自分が闇と、山と、自然と渾然一体になる。闇は恐ろしくもあり、美しく心地よいものでもある。本書を読んで夜の山を歩けば「もっと闇を!」と願う日も遠くない。
感想・レビュー・書評
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この人のナイトハイクの目的は闇を求めて歩くことなのか。
なるほど、夜に山に登るにもいろんな考えの人がいるんだね。
何を隠そう俺もナイトハイカーだが、求めるものは夜景。
都市近くの山に登って人の営みである夜景を見下ろすのが趣味なのだ。
とはいえ闇そのものを深く感じるのも夜の山の一興。
ライトを手で隠せば真の闇に包まれる。
しばらくすると目が慣れて、うっすらと道が浮かび上がってくるのを感じられると、野生に戻った感覚がある。
著者の歩き方は闇そのものを楽しむため、あえてライトを使わずに無灯火で登頂することもあるという。
まだそのレベルには至っていないし、目指す方向性と違う。。。
読んでいて、ハンモックキャンピングとナイトハイクは親和性が高いのではないかと思ってきた。
夕方から登り始めて夜景の良いところでハンモックを張り、翌朝の日の出を見てから下る。
なんか行けそうな気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的に山登りは好きであるが、夜を目当てに登ったことは一度もない(下山で暗くなったことは多々あるが)。そんな夜のハイキングがお薦めだという。著者の中野純氏は長年にわたり夜の山を歩き、多くの夜山ハイキングを独りで楽しみつつ、数多くのハイカーをナイトハイクへ案内してきた。同書ではナイトハイクのそれぞれの月における魅力や心構えなどわかりやすく解説しており、日本の夜の山がいかに魅力的であるか実体験を交えて紹介している。今まで興味すらなかったナイトハイク。一度は行ってみたいものである。
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中野純のナイト(闇夜)シリーズも3冊目。だいぶ闇夜の歩き方も頭の中では分かってきた。これまでのトレランでのナイトトレイルとの最大の違いは、闇を楽しむということ。著者は蛍歩き(ライトを点けたり消したりする)から完全にライトを消して歩くことを推奨する。より闇を楽しめるという。
また終電、終バスから始まる山歩きというのも新鮮。これまで始発、始バスを気にしていたが、全く逆になる。なんかワクワクする。
東京近辺でのナイトハイクで紹介されていたのは、高尾山、御岳山、箱根の山々、大菩薩嶺など。そのなかでも惹かれたのが、扇山と百蔵山。中央線からアクセスもいい。昼ハイクで慣らして、ナイトハイクに行ってみたくなった。