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- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641122697
感想・レビュー・書評
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現代政治学の理論面に対する概説書。個人的にはまとまりの欠如を感じる。民主主義との関連性から、権力、正統性、公共性、ファミニズムなどを論じるが、いずれも中途半端な印象を受ける。無論、それぞれに担当している章の内容が部分的に重なっているのだから、いずれも明確に論じ得ない(例えば、「権力について論じる際に権力が権威として人びとに認められるには正統性が必要だ」などとなったときに、ここで「正統性」を論じられないのは、章の編成上わからなくもないが、後に定義される「正統性」が権威の必要条件足り得る「正統性」なのかというような議論の連続性と関連性がない。)
何が非常に希薄な議論に感じる。というか、議論が分断されていることによって理解しにくい。法学書院の現代政治学を読んだ後だと理解力が増した。個人的には著者の意見、そして彼らによる明確な定義がないのであれば、政治学は論じ得れないと思う。クリックは、自らの思想を無視した研究者は「自己の分裂と二重人格であることを表明しているに等しい」と揶揄しているが(クリック『現代政治学入門』講談社学術文庫)、その通りだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示