はじめてのジェンダー論 (有斐閣ストゥディア)

著者 :
  • 有斐閣
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本棚登録 : 755
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641150393

作品紹介・あらすじ

人はなぜ,男か女かという性別にこだわるのか。その〈分類〉をいかに意味づけ,相互行為の中で社会制度に組み込んでいるのか。ジェンダーの視点で見ると,はじめて「社会」が見えてくる。ジェンダーの基礎から最新動向まで,軽妙な講義調で解き明かす,著者待望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 知ってるようでちゃんと知らない、ジェンダーについて1回ちゃんと勉強したくて買ってみた。
    著者の思いも感じさせつつも、客観的にジェンダーについて教えてくれるから、初めて学ぶにはとてもいい本だと思う。

    にしても、、、日本って性に関する認識が本当にひどいんだな…特に、国会議員や知事までがこんなアホみたいな考えでいるとは………
    読みながら何度も「はあ?」と呟いてしまった。
    特にレイプに関して、こんな頭のおかしい考えでレイプするやつがこの世にいるんだなと心の底から驚愕したし、吐き気がした。
    そしてわたしも職場でセクシャルハラスメントに遭って、それを上司に伝えたとき、同僚に言われた「そんなに大事にしなくたっていいのに」の一言を思い出した。
    なぜ被害者なのに責められなきゃいけないのか、本当に理解できなかったけど、その感覚はまったく間違ってなくて、責める人間のほうが悪いことが分かって、なんかうれしかった。
    そのひどい同僚のように古い認識の人は今すぐこの本を読み、今後一切その古い認識を世に出さないでほしい。ただ本当に難しいのは、古い認識の人は自分が正しいと思って、ジェンダーの本なんて手にも取らないことなんだよなあ………

    わたしはわたしの人生の主役でいたいから、めんどくさくても、これからも知ることを止めないし、はっきり主張していく。
    また、「女だから/男だから」で考えず、「その人だから」で考えて、一人ひとりとしっかり向き合っていこう。
    それから、とにかく被害者に優しい社会であれ。

  • 初めてジェンダー論を学ぶという友人にまずは薦めるとても好きな本。参考文献の紹介も豊富で、この本をきっかけに興味のある分野を深めていくことができると思う。
    この本を初めて読んだ時、自分のジェンダーに対する価値観が刷新されて感動した。自分が無自覚だったけれど様々なことにジェンダーの視点を加えられると知ってびっくりした。
    フェミニズムに否定的な人にぜひ読んでもらいたい。

  • 大学教科書に採用されているのは納得。ジェンダー論を学び始めるにあたってベースや出発点となりそうな基本的なテーマと丁寧な解説、そして豊富で多岐にわたる読書案内付き。
    最初の読み物としてはこの上ない物だと思うし、ここから知的好奇心が刺激され、また引用されていた資料や文献へと興味が自然と広がってゆくと思う。初学者や、学び直したい方はぜひ。

  • 女性差別なんてもうないからフェミニズムは必要ないだのLGBTも今は普通だしもう権利運動なんて必要ないだのいう人たちに全員読ませたい。いや、食べさせたい。

  • 面白かったところのピックアップ
    ・同性愛というカテゴリーが生み出されたのは19世紀後半のヨーロッパ。それ以前にも夫婦間の性行為以外を指すソドミーという言葉があり、それは誰もが犯す可能性のある過ちだと見做されていたのに対して、同性愛は病理的な欲望だと考えられた。
    ・男女の心理や行動パターンの違い(性差)があることと、それが性役割の押し付けに結び付けられることは全く別の問題。
    ・暴力という概念は、被害者の視点から捉えられなければならない。

  • 初学者でも読みやすい。
    時代とともに社会的規範は変わるけれど、その都度不当に抑圧される人々が生まれないように対話し続ける姿勢が重要。

    筆者の頭の中で論敵がはっきりしている時に、語気が扇情的になるところだけ気になった。

  • ジェンダーや女性の問題について学び始めた時に最初に手にした本です。ジェンダーに関するあらゆる問題を網羅しているだけでなく、論理的且つ客観的に文章が展開されているので入門書として強くオススメしたいです。自分が当たり前だと考えていた価値観が何度も覆されたと同時に、自分がいかに無知であったのかを思い知らされ、無知であることの恐ろしさを実感しました。

  • 2023 4/16 #5
    ゼミの課題本として出された

  • 難しい専門用語などはなく、軽快な語り口で入門書として非常に読みやすかった。
    LGBT差別や性暴力など根の深い問題についても論じられている。
    差別は社会常識や日常に溶け込んでいて、あらためて言われてみて初めて気付く事も多く。暗澹たる気持ちにもなった。
    けれどまずは「知る」「気付く」ところから差別解消は始まるのだと思う。

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著者プロフィール

明治学院大学教授

「2017年 『はじめてのジェンダー論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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