ダイナミック戦略論: ポジショニング論と資源論を超えて

著者 :
  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641162020

作品紹介・あらすじ

経営戦略論の新地平。既存の経営戦略論の諸潮流を整理するとともに、その静態理論と部分理論としての限界を指摘し、著者の提示する「複雑適応系」理論に基づいて、高不確実性化でもより有効で全体的なダイナミック戦略論の枠組みを考察する。戦略論の新たな地平を切り拓くとともに、日本企業再生に必要な戦略フレームワークを提示する秀逸の意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 河合先生のダイナミック戦略論。ポーターやバーニーといった既存の戦略論をそれぞれ分析し、ダイナミックな環境への適合性を評価するという形式をとっております。なので、戦略論の基本的な教科書を見た後に本書をみると理解がし易いのではないだろうかと思います。そして、本書の主題であるダイナミックケイパビリティについて考察を深めていくこととなります。

  • 失われた10年とも言うが、日本企業の凋落は著しい。
    その理由は不確実性が高まってきているにもかかわらず、
    依然として従前の戦略を続けているがためであり、
    企業としては、よりダイナミックな戦略が必要となっている。

    こうして独自のダイナミック戦略論を展開しているのが本書。

    ダイナミック戦略論を、
    法則型、不確実性型、プロアクティブ型と3つに分類。

    なかでも、重要な法則型・プロアクティブ型について、
    著者なりの結論を導き出しているが、導き型が、従来からの
    戦略論に対するアンチテーゼから入っているのが特徴的。
    良いところも認めつつ、不十分な箇所を、ダイナミック戦略の
    視点から見つめ直し、更に発展させている点は学問として
    あるべき姿と感じる。

    肝のひとつであるDP理論も、BCGマトリクスの発展である。

    納得感も高く、言わんとすることの必要性も十分に分かるが、
    今ひとつ腹落ちしないのは、使用している言葉のわかりにくさと
    やや網羅的になりすぎている点の2点であると感じる。

    但し、本書で言う「ダイナミック戦略論」に加え、
    従来からの様々な戦略論やモデルについて学ぶことも出来る点は、
    戦略論全般の勉強をしたい人にはお勧め出来る。

    じっくり腰を据えて、勉強したい人向け。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授

「2019年 『日本企業における失敗の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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