- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641173989
作品紹介・あらすじ
わたしたちの「社会の心」は、いまどこに向かって進んでいるのか「総中流」や「格差」「伝統性」「再帰性」など時代をあらわすキーワードを分析、検証する最新の日本社会論。
感想・レビュー・書評
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社会
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『現代日本の「社会の心」――計量社会意識論』(有斐閣 2014)
英題:Sociological Social Psychology in Contemporary Japan: Literacy, Consummatory and Reflection
著者:吉川 徹[きっかわ・とおる]
カバーデザイン:堀 由佳里
発売日:2014年06月
版型:四六判 上製カバー付,268ページ
定価:2,484円(本体 2,300円)
ISBN:978-4-641-17398-9
〈http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641173989〉
【目次】
目次 [i-iv]
序章 「社会の心」を計量する 001
目に見えないのに重要なもの 001
調査計量という歯止め 005
本書の構成 008
付記 009
■第I部 社会意識論の再構築
第1章 社会意識の捉え方 012
社会科学のなかでの位置づけ 013
社会意識の諸概念 017
『階層・教育と社会意識の形成』 023
戦後社会意識論の問い 026
現代社会意識論の確立 028
思わぬ空転 032
階層意識研究 036
社会意識論の系譜 039
注 041
第2章 計量社会意識論の作法 044
社会構造が社会意識を動かす 044
現代日本社会をみる 048
時代性と階層性が織りなす地平 051
中間層にねらいを定める 054
世論統計と計量社会意識論 55
計量的モノグラフ 061
「天使の分け前」 066
注 069
■第II部 アイデンティフィケーションの軌跡
第3章 一九八五年の日本 074
繊細な変化の時代 074
再帰的近代の前夜を捉える 078
昭和日本の到達点 081
世代の入れ替わりと人生の局面変化 085
日本文化の肯定的特殊性[エキゾチック・ジャパン]の時代 087
第一の近代の「社会の心」 091
日本人論と総中流の相同性 095
注 097
第4章 総中流現象の正体 099
階層論を時代論に変える「触媒」 099
不可解な動き 101
「ガラパゴス化」した論点 105
「偽装」されていた総中流化(SSM調査の場合) 108
「偽装」されていた総中流化(国民生活調査の場合) 115
総中流の虚構と現実 117
注 120
第5章 総中流社会から総格差社会へ 122
総中流の再定義 122
因果的説明力の増大 125
階層帰属意識の静かな変容 129
時代変化のメカニズム 130
総格差社会とはどういう時代か 136
注 139
■第III部 オリエンテーションのゆくえ
第6章 伝統‐近代主義の静かな退役 142
近代社会と伝統性 142
権威主義とは何か 143
セルフディレクション 147
権威主義的態度のゆくえ 151
性別役割分業意識の脱近代化 161
失われた「社会の心」の「傾斜」 165
注 168
第7章 主義なき時代 171
不公平感の「不発」 172
格差観の当事者性 176
遍在する向社会性 179
多様性の容認による融解 181
社会的活動頻度の「傾斜」を探る 183
主義なき時代のコンサマトリー性 191
注 194
第8章 QOL志向の密かな時代変化 197
現代日本人の環境と健康への構え 197
QOL志向に作用する社会意識 200
一八年後の比較調査データ 206
規定構造の時代変化 208
近代から再帰的近代へ 214
注 216
終章 覚醒性[リテラシー]・直結性[コンサマトリー]・再帰性[リフレクション] 218
測り出された「社会の心」の姿 218
集合意識からの脱埋め込み 223
一九八○年代の「社会の心」 228
現代日本の「社会の心」 231
ほつれゆく社会的属性の影響力 234
職業からの脱埋め込み 237
学歴への再埋め込み 241
結語 243
注 245
あとがき(二〇一四年陽春 吉川徹) [246-248]
参考文献 [8-16]
人名索引 [6-7]
事項索引 [1-5] -
1966年生まれの筆者の現状認識に共感できる。データ分析における誤差をどう理解するか、中流意識の経年比較において、設問の違いに注目した点は重要であり、高く評価したい。