平清盛 (人物叢書 新装版)

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  • 吉川弘文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642052122

作品紹介・あらすじ

はじめて武家政権を開いた平安末期の武将。数々の戦乱を制して、ついには最高権力者となった。実力で政権を奪う時代としての中世を切り開いたその生き方は、後世の武人政治家の範となっていく。同時代の貴族の日記や古文書などを丹念に繙きながら新史料の発掘を試み、政治動向の分析と併せて清盛の実像に迫る。従来の通説を覆した清盛伝の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 吉川弘文館
    五味文彦 平清盛

    朝廷との複雑な関係性や官位昇格の背景を中心に構成された伝記


    清盛40才で保元・平治の乱の勝利後、公卿、大納言、内大臣、従一位太政大臣まで 右肩上がりの出世人生。51才での出家は アーリーリタイアを思わせる


    19才 中務大輔
    20才 肥後守
    30才 祇園闘乱事件
    34才 安芸守
    39才 保元の乱、播磨守
    41才 大宰大弍、大和国の国検
    43才 正三位(公卿)、参議
    44才 検非違使の別当、伊勢公卿勅使、中納言
    45才 皇太后宮権大夫
    48才 兵部卿、大納言
    49才 内大臣
    50才 従一位太政大臣
    51才 出家
    53才 山門強訴により上洛、乗合事件


    清盛の人生が下がるのは、建春門院の死により 平家の影響力が減退した60才

    その後 わずか3年間で 清盛が、後白河(法皇)を幽閉し、福原に遷都し、南都を焼失させたのは、自身の死(64才)や平家末期への不安か? 孫(後の安徳天皇)の皇位継承の後楯を考えてか?公武一体政権への野心か


    治承
    60才 鹿ケ谷の陰謀を受けて、上洛し山門追討ち
    61才 孫(後の安徳天皇)誕生
    62才 重盛の死、後白河法皇を幽閉
    63才 福原遷都、南都焼失
    64才 清盛の死



    平清盛が範としたのは
    *父の忠盛〜政界を注意深く観察し、貴族と交わりを持ち、武家としての地位を高めていく生き方
    *藤原信西〜平治の乱後の範。天皇の乳父として政治に影響力を持ち、子息を政界に送り、院に仕える
    *藤原忠実〜二条天皇の死後。摂関家にあって朝廷を補佐する武家
    *後白川院〜治承3年以後。天皇の祖父として振る舞う範とした













  • 平氏一門は一蓮托生なイメージがありましたが、とてももろく、清盛一人がどれだけ大事な位置にいたのか…それを実感しました。個人的に頼盛の記述も多かったのが実に興味深く面白かったです…

  • やっと読み終えた。大河ドラマ「平清盛」終了までには読み終わろうと思っていたのに、年を越してしまった。それだけ、清盛の人生が波瀾万丈だったと言うことだろう。
    ではあるのだが、清盛に関してこれほどに資料が少ないとは知らなかった。八百年前なのだから仕方ないとは言え、次の源氏政権によって否定されてしまった存在故なのだろう。歴史の真実を見いだすのが難しいことが改めてよくわかった。
    そんな状況でありながら、さすがは人物叢書シリーズ。各種資料から清盛の足跡を丁寧に描いている。中でも面白かったのは、朝廷から「諸国の海賊・山賊を取り締まれ」という命を彼が受けていたこと。息子の重盛の代になると、今度は同じ命令を朝廷が重盛に対して出すように働きかけ、実施している。これって、その後の幕府体制において、武家のトップが朝廷によって征夷大将軍に任じられたのと似たようなもの。なるほど、平家政権はその走りだったことが感じられた(本書にはそこまでの主張は述べられていないが)。大河ドラマのテーマの一つとして、「武家の世は清盛によって作られた」とあるが、確かにその通りのようだ。
    なかなか読み応えのある一冊だった。

  • 困った時の吉川弘文館。さすが役に立つ!m(__)m

  • 大河ドラマは、やや史実と違うようなので、
    こちらを読んで、バランスをとってみましょう。

    これさえ読めば、清盛検定に合格、間違いなし。(?)

  • [ 内容 ]
    はじめて武家政権を開いた平安末期の武将。
    数々の戦乱を制して、ついには最高権力者となった。
    実力で政権を奪う時代としての中世を切り開いたその生き方は、後世の武人政治家の範となっていく。
    同時代の貴族の日記や古文書などを丹念に繙きながら新史料の発掘を試み、政治動向の分析と併せて清盛の実像に迫る。
    従来の通説を覆した清盛伝の決定版。

    [ 目次 ]
    第1 生まれた時代と環境
    第2 忠盛と清盛―鳥羽院政の頃
    第3 時代は動く―1140年代
    第4 保元の乱の伏線
    第5 保元の乱
    第6 平氏の台頭
    第7 平治の乱
    第8 天皇親政と清盛
    第9 急速な昇進
    第10 入道大相国清盛
    第11 女院の平和
    第12 亀裂の構図
    第13 熟慮と浅慮
    第14 治承の内乱
    第15 最期の時

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京大学・放送大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門は日本中世史。著書『院政期社会の研究』(山川出版社)、『吾妻鏡の方法』(吉川弘文館)、『中世のことばと絵』(中公新書)、『絵巻で読む中世』(ちくま学芸文庫)、『書物の中世史』(みすず書房)など。

「2019年 『中世史講義 院政期から戦国時代まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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